10/12MON

LAB

オンラインを制する者は
就活を制する!
オンライン面接の注意点やコツを
採用担当者に聞いてみた

テレワーク、オンライン商談、オンラインミーティング……。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、わたしたちの働き方に大きな変化が生じています。採用試験も同様で、オンラインでの説明会や面接がスタンダードになりつつあります。
仙台市でも8月19日から3日間、仙台市内のIT企業22社が参加するオンライン合同説明会「SENDAI IT CAREER WEB」が開催されるなど、オンラインによる採用活動が本格化しています。

会社説明の様子、2名の男性がPCに向き合い、13名の参加者に説明している。奥にスクリーンがあり、参加者13名がプロジェクターに映し出されている。

「SENDAI IT CAREER WEB」 ペットに関するインターネットサービスを提供する、株式会社シムネットのオンライン会社説明の様子

 

移動時間を必要とせず、遠方の企業にも応募できるなどのメリットがある一方で、はじめてのことだらけで慣れないオンラインでの採用試験。

「新型コロナウイルスの影響で採用人数が減るんじゃ?」
「22卒もオンラインが続く?」
「場所は自宅じゃないとダメ?」
「服装はどうすれば?」
「照明はあったほうがいい?」
「スマホでもオッケー?」
「何分前に接続するのが正解?」

などなど、正解が分からずに悪戦苦闘している就活生も多いように感じます。
そこで、仙台に拠点を置くIT企業3社に現在の採用事情をインタビュー。また、オンライン説明会・面接のハウツーや避けた方が良いことなどをお聞きしました。

聞いた人たち……

エリクソン・ジャパン株式会社(飛知和さん)
サイバーコム株式会社(前川さん)
株式会社ラネックス(小林さん)

新型コロナウイルス感染症拡大を機に採用活動が完全オンライン化

  • SENDAI INC.:さっそくですが、採用試験はオンラインに切り替えましたか?

  • エリクソン・ジャパン:新卒の採用試験に関しては100%オンラインで実施しています。

  • サイバーコム:説明会も面接も3月にすべてオンラインに切り替えました。

  • ラネックス:留学生などの例外を除き、6月からは基本的にオンラインに移行しました。

  • SENDAI INC.:インターンもオンラインで実施する予定ですか?

  • エリクソン・ジャパン:例年どおり出社してのインターンを予定しています。実際に働いているイメージをリアルに感じていただきたいので、オンラインでは難しいと判断しました。

  • ラネックス:まだ検討段階ですが、これから採用する方も含めて今後もテレワークをスタンダードにしていく予定です。なので、インターンを実施するならオンラインで考えています。

    ただ、オンラインでいかに会社のことを分かってもらえるか。まだ答えが見出せていないので、今後どのように受け入れ態勢を構築するかは検討が必要だと考えています。

  • サイバーコム:夏のインターンに関してはオンラインで実施しました。

    これまではロボットをソフトウェアで動かすというような対面形式のカリキュラムで実施していましたが、どうしても三密の状態は避けられません。

    冬のインターンについても、今年はオンライン形式でシステム開発の流れを体験していただけるようなカリキュラムに切り替えて実施する予定です。

会社見学は内定者に限定

  • SENDAI INC.:どうしても現場の雰囲気が知りたい、みたいな方にはどういった対応を取っているんですか?

  • エリクソン・ジャパン:面接を経て、こちらから採用のオファーをお出しした段階でしたら、実際に見学していただくケースはありました。その際もソーシャルディスタンスを保つなどの感染対策は行なっております。

  • サイバーコム:弊社も内定者に限り、オンラインで若手の社員などと話をしていただく機会を設けたり、感染対策をした上で少人数でのオフィス見学を実施したりしております。

採用予定人数に変化はないが倍率はアップ

  • SENDAI INC.:新型コロナウイルスの感染拡大によって採用人数が減ったりしますか?

  • エリクソン・ジャパン:いえ、採用予定人数に変更はありません。これまでと変わらず、人員を拡大していくつもりです。

  • ラネックス:弊社も変わりません。ただ、オンラインで採用試験を受けられるので、実際に訪問するよりもハードルが下がって応募人数が増えました。つまり、倍率は上がっています。

  • サイバーコム :採用人数に変更はありません。応募数が5倍に増えたので、去年まで面接は1回だけでしたが、2021年卒から2回に増やしました。

    簡単に応募できる分、志望動機や業界研究が浅い応募者がいらっしゃるのも確かなので、これまで以上に対話できる機会を増やしています。

オフラインへの切り替えは企業によりけり

  • SENDAI INC.:今後も採用試験はオンラインを継続していきますか?

  • ラネックス:基本は継続していく予定です。

  • エリクソン・ジャパン:弊社は新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたら通常の対面の採用試験に切り替えようと考えています。

  • サイバーコム:弊社も状況を見てオフラインとオンラインのハイブリッド体制に切り替えます。

    就活生も同じだと思いますが、オンラインだと対面に比べて印象に残りづらいので、基本は対面面接を実施したいと考えています。

    ですが、遠方にお住まいの方は面接会場に来るにもかなり時間と費用の負担がかかってしまいますので、状況に応じて使い分けていく予定です。

現在の仙台の就活事情が分かったところで、ここからはオンライン面接のハウツー的な質問をぶつけてみました。

オンライン面接の心得
〜其の1〜
『静かな場所を選ぶべし』

  • SENDAI INC.:オンラインだと場所に縛られないのがメリットですが、自宅以外で受けてもいいんですか?

  • エリクソン・ジャパン:静かな環境でしたら問題ありません。なかには、学校で受けている方もいらっしゃいます。

  • SENDAI INC.:止むを得ず、自宅や学校以外で受けることも想定されます。

  • ラネックス:その場合でもとくに気にしていません。ただ、青空の公園の下とかだと理由をお聞きするかもしれません。でも、自宅まで戻れない正当な理由があれば場所はどこでも大丈夫です。

オンライン面接の心得
〜其の2〜
『服装にも手を抜くべからず』

  • SENDAI INC.:画面には胸から上しか映りませんが、服装で気をつける点はありますか?

  • エリクソン・ジャパン:そのまま外に出掛けられることを基準に、服装もきちんとしていただきたいですね。

  • ラネックス:通常の面接と同じように、しっかりとした服装で「今日は面接に臨むぞ!」という心意気で受けていただきたいです。画面からも意外とそういうのは伝わってくるんですよね。

オンライン面接の心得
〜其の3〜
『差別化を図るならライトを準備すべし』

  • SENDAI INC.:パソコンが一般的だと思いますが、スマホでもとくに問題ありませんか?

  • エリクソン・ジャパン:パソコンが好ましいですね。スマホだと形状的に不安定で、面接中にガタンと倒れてしまうことがあります。

    面接はもちろんですが、普段パソコンを使って仕事をしているので、いろいろと指示を出しやすいのも理由のひとつです。

  • SENDAI INC.:暗くて顔が見えづらいとどうですか? 照明を準備したほうが良いのでしょうか?

  • サイバーコム:弊社はあまり気にしていませんので、あえて照明などを用意する必要はないと思います。実家暮らしやひとり暮らしなど居住環境もそれぞれ違いますので、合否に関係することはありません。

  • ラネックス:逆光で顔がほぼ見えないと話は別ですが、そうでない限りはまったく気にしていません。

  • エリクソン・ジャパン:極端にマイナスになるわけではありませんが、暗い印象を持たれるリスクはあるかもしれません。

  • SENDAI INC.:ということは、照明などで明るく映したほうがプラスになるということですか?

  • エリクソン・ジャパン:プロ仕様までは必要ありませんが、背景も含めてきちんとセッテイングしておけば、差別化を図る意味では有効になってくると個人的には考えています。

  • SENDAI INC.:マイクやイヤホンもですか?

  • エリクソン・ジャパン:そうですね。聞こえにくいとスムーズなコミュニケーションが難しくてお互い伝わらない部分も出てきますので、用意しておくに越したことはないと思います。

オンライン面接の心得
〜其の4〜
『余裕を持って5分前から待機せよ』

  • SENDAI INC.:約束の時間の何分前から待機していればいいんですか?

  • ラネックス:個人的な意見ですが、待機室が用意されているのでしたら5分前くらいに入っておけば問題ないと思います。待機室にいらっしゃると「ちゃんと準備のできる方なんだな」という印象を受けます。

    とはいえ、30秒前に待機室に入ってもとくにマイナスになることもなく、時間に間に合えば問題ありません。

オンライン面接の心得
〜其の5〜
『志望理由や業界研究は熟考すべし』

  • SENDAI INC.:通常の面接とは違い、オンライン面接中はどのような点に着目していますか?

  • サイバーコム:オンラインになっても着目ポイントは変わりません。ただ、選考ポイントがどうしても志望理由や業界研究をしているかどうかに依存せざるを得ないので、対面での面接よりは突っ込んでお聞きするようにしています。

  • ラネックス:弊社は通常の面接ととくに変わりません。

オンライン面接の心得
〜其の6〜
『リアクションは普段より大きめにせよ』

  • SENDAI INC.:そのほか、気をつけるべき点はありますか?

  • エリクソン・ジャパン:オンラインだとどうしても細かい会話のキャッチボールが難しいので、リアクションや相づち、話の終わらせ方、相手に伝わりやすく話している工夫をしているか。この辺は着目ポイントとして追加しました。

  • SENDAI INC.:オンラインに慣れていないと難しいですよね。コツとかはありますか?

  • エリクソン・ジャパン:そうですね。直接会って話しているときよりも大ぶりなリアクションや表情をしたり、話し終わったら「以上です」と付け加えたり。これだけでコミュニケーションを取ろうとしている意思は伝わってきます。

  • ラネックス:たまにでいいので、話の途中にカメラを見るのもひとつのコツですね。ディスプレイ越しに面接官を見てしまいがちなんですが、意識的にカメラを見ながら話している人がいるといい印象を受けます。

オンライン面接の心得
〜其の7〜
『分からないことがあれば、躊躇せず聞くべし』

  • SENDAI INC.:ほかにもオンライン面接のコツがあれば教えてください。

  • サイバーコム:会社説明会などもオンラインで行なっておりますので、学生さんにとってはどうしても得られる情報が少ないですよね。

    そうなると説明会や面接のときに質問するありません。その際に型にハマった質問ではなく、自分の言葉でしっかり聞いてくれると、本気度が伝わってきます。

    内容によって合否が決まるわけではありませんが、印象がいいのは確かですね。

  • ラネックス:通常の面接でもそうですが、間違った解釈でもいいのでちゃんと会社のことを理解したうえで質問ができれば、多少顔が見えづらかったり声が聞こえづらかったりしても気にすることはないと思います。

  • エリクソン・ジャパン:コミュニケーションが取りづらい分、質問の意図を的確に読み取って、まずはひと言で答える。そこに補足する形で話を展開できるといいですね。

アフターコロナ時代の採用活動もオンラインを用いることが予想されます。この記事を参考にオンライン面接の心得を学び、身につけ、万全の体制で臨みましょう。

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Words: 幸谷亮

PROFILE

エリクソン・ジャパン株式会社

スウェーデンに本社を置く通信機器・サービスを提供するプロバイダー企業。日本では今後普及が予想されている5Gに関するネットワーク事業を展開。仙台オフィスは同社3拠点目として2017年に開設された。

サイバーコム株式会社

1978年に仙台で設立、全国6拠点にオフィスを展開。設立当初からの通信分野で培った技術力を基盤とし、業務系、制御系などソフトウェアの受託開発をメインに、多様なニーズに沿った高品質なソフトウェアを提供する企業。ソフトウェア開発の他、システムインテグレーションサービスや自社プロダクトの販売など幅広く事業を展開している。

株式会社シムネット

株式会社シムネットは、「ペット x IT」を軸とした、自社Webサービスの企画・開発・運営をしております。 「つくるよろこびを、つかうよろこびへ」という企業理念のもと、ユーザーファーストのWebサービス開発を続けてきました。 仙台の地から全国のユーザーへ、「変化」と「感動」を与えられるサービスとコンテンツを創造していきます。

株式会社ラネックス

1998年に仙台市で創業。ソフトウェア開発を手掛け、要望のヒアリングから開発、納品、サポートまで一気通貫して行なう。2013年に東京に事業所を開設すると、2015年にはフィリピンのセブ島に海外支部を立ち上げる。さらに営業拠点をアメリカとオーストラリアにも拡大するなど、ボーダレスに事業を展開中。