03/26THU

LAB

【202X年、
5Gのある仙台で
私たちは暮らしている。】

仙台未来妄想ラボは、日本の未来の課題に対し、仙台ならではの視点で解決策を妄想しているラボです。
今回の仙台未来妄想ラボは、2020年が「元年」と言われている5Gについて。5Gってなんだかすごそうだけど、結局私たちにどう関係あるの?
「NTTドコモ 東北支社」さんにも知見をお借りして、5Gが導入された未来の“仙台暮らし”を妄想してみました。仙台に暮らす、ある新人社会人の妄想ブログを通して疑似体験してみましょう。

202X年4月18日
「初めての会議出席はホログラム会議」

私はこの4月に新卒で社会人になりました。仙台市内のWeb制作会社で営業職に就職。
「ITや新しい技術を使って社会を変えられる仕事をしたい!」 「でも地元仙台での生活は好きだから離れたくない!」
そんなわがままを叶えてくれる職場が見つかってよかったです。
まだまだ慣れない会社での毎日ですが、今日は初めて会社で会議に出席しました。
事業がIT系ということもあって社内システムも最先端のものが多いのですが、一番驚いたのは会議出席者がホログラムで現れたこと!
私の会社は仙台以外に東京と京都にもオフィスがあります。
入社したばかりでもちろん私はまだ出張を経験していないのですが、 今日の営業チーム会で東京と京都の先輩方にホログラム越しに直接(?)ご挨拶することができました。
ホログラム会議と聞いて、はじめは昔SF映画で見た立体ビデオのようなものを想像していたのですが、 実際はもっと画質がなめらかで、何よりリアルタイムにやりとりできるので、まるで本当に同じ会議室にいるようでした。

京都オフィスの同期とも話ができたので、ますます仕事が楽しくなってきました!

202X年5月3日
「連休はアカペラ練習三昧」

社会人になって初めてのゴールデンウィーク。学生の頃は意識していなかったですが、連休って貴重ですね…!
今年のゴールデンウィークは旅行にも行かず、大学時代のアカペラサークルの仲間と練習三昧の予定です。 私が所属しているアカペラグループのメンバーは全部で4人。 社会人になってからも練習を続けていて、今の目標は9月の定禅寺ストリートジャズフェスティバルに出演することです。
地元仙台に残ったのは私だけで、他のメンバーはそれぞれ東京、北海道、福岡に引っ越してしまったので、アカペラの練習は“リモートデュエットアプリ”を使ってやります。
ビデオ通話のようなアプリなのですが、とにかく音質が良いのでアカペラやバンドなど音楽系の練習にはおすすめです。
今日の練習は、私は勾当台公園から。
北海道のメンバーが高台の広場から練習していたので、こちらまで広い景色の中で歌っているような気分になりました!

202X年9月18日
「いよいよジャズフェス本番!投票の結果は・・・」

いよいよジャズフェス本番…!
仙台のジャズフェスは、仙台市内のあらゆる場所で同時多発的にたくさんの音楽アーティストがパフォーマンスを行う、まさに街をあげての音楽フェス。2日間で延べ80万人もの観客が来場します。
私たちの出番は、午後14:00から駅ビル「AER(アエル)」前広場。
午前中はお客さんとして街をブラブラしながら楽しんでいたのですが、お昼すぎくらいからだんだん緊張してきました。
そして本番の時間に。
4人のメンバーのうち、福岡の子はスケジュールの都合で仙台に帰ってこられなかったので、映像投影での参加でした。
人通りが多い時間帯だったので緊張しましたが、私たちが歌ったディズニーメドレーは曲を知っている人も多く、通りがかりの人も一緒に歌ってくれたりしてとても楽しかったです。
会社の先輩も見に来てくれていました!
ちなみに今年から全ステージが8K映像で生中継されていたので、
会場に来られなかった、足の悪い私のおばあちゃんにも晴れ姿を見せることができました。
そして夕方、最後の投票結果発表です。
この投票イベントも今年から始まった企画で、観客のみなさんが一斉に「良いと思ったステージ」に投票します。
全ステージが映像中継で配信できるので、フェアですね。
数十万人が一斉に投票して、その数字がリアルタイムで屋外ビジョンに表示されていきます。
結果は、私たちは新人部門で5位でした!入選には漏れてしまったけど、1万近い投票をいただけて大感動。

出場してよかったです。とても素敵な思い出になりました!
見に来てくださった方、応援してくださった方、本当にありがとうございました。

仙台に住む、社会人一年目の妄想ブログはいかがでしたか?
社内会議、勾当台公園、ジャズフェスといった、 仙台での見慣れた日常の中にいくつか新しいキーワードも見え隠れ。
「ホログラム会議」 「リモートデュエット」 「ジャズフェスで一斉投票」
これらの妄想が実現する時、5Gのどんな特徴が活用されるのか一緒に見ていきましょう!

「ホログラム会議」を実現するのは、
5Gの『高速・大容量』

妄想ブログの中のホログラム会議のように、
「物理的に違う場所にいる人を3Dで浮かび上がらせ、会話や動きをリアルタイムに投影する技術」の実証実験は既に行われています。
NTTドコモが実証実験を行った『HoloPortation(ホロポーテーション)』と呼ばれる技術が実用化されれば、遠隔地にいる人同士がまるでその場にいるように過ごすことが可能になります。
妄想ブログでは国内3拠点でしたが、もちろん海外の場所とつながることも可能ですね!
HoloPortationを使うには、3D用のカメラで被写体(人間など)を高精度で立体的に撮影する技術、そしてその人が動いたり表情を変えたりした動作を正確に把握するモーションキャプチャ技術が必要。
そして最後に、それらをリアルタイムに転送するための『高速・大容量』なネットワーク環境がそろって、初めて実現します。

HoloPortationを使用した様子

ホログラムのような高精細3Dデータはとてもデータ容量が大きいものですが、5Gによる通信速度のスピードアップによってリアルタイムに伝送することが可能になります

NTTドコモによると、現在の4G(約1Gbps)と比べて、5Gの通信速度は約20倍速くなることを目指しているそうです。
ホログラムのような高精細3Dデータはとてもデータ容量が大きいものですが、5Gによる通信速度のスピードアップによってリアルタイムに伝送することが可能になります。

「リモートデュエット」を実現するのは、
5Gの『超低遅延』

ブログに出てきた「リモートデュエットアプリ」は架空のアプリですが、それに近い技術は実現しそうです。
NTTドコモとヤマハ株式会社が行った実証実験では、離れた場所にいる演奏家同士を5Gを使ったネットワークでつなぐことで、遠隔地同士での同時演奏の実験に成功しました。
NTTドコモによると、これまでの4G(LTE)での通信の遅延は約10ミリ秒(1/100秒)だったのに対して、5Gでは将来的に1ミリ秒(1/1000秒)までギャップが縮まる可能性があるそう。
10ミリ秒でも十分誤差がないのでは?と思われるかもしれませんが、
均すと1分40秒ごとに1秒ずつのズレが発生するということなので、普通に会話したりする分には体感で気にならなくても、
音楽セッションというリズムやタイミングが緻密なコミュニケーションではまだまだ違和感がありました。
5Gの『超低遅延』が実現すればネットワーク経由でのアカペラ、バンドやオーケストラ演奏も可能になるかも。
妄想ブログの中のジャズフェス本番で映像投影の仲間とアカペラができたのも、この『超低遅延』のおかげ。世界中のアーティストとつながれる日もそう遠くないかもしれません。

「イベント会場での一斉投票」を実現するのは、
5Gの『同時多数接続』

夏フェスの会場やイベント会場で、電波が繋がりにくい経験をしたことはありませんか?
あるエリアで密集してネットワークをみんなで使うと、電波を発している「基地局」が混雑して、通信が順番待ち状態になってしまう現象です。
5Gになるとどう変わるのか?NTTドコモに聞いたところ、
たとえば4Gでは、1基地局当たり同時デバイス接続数は1000程度でしたが、5Gでは1基地局あたり約2万台、1平方㎞当たり100万台以上のデバイスが同時接続可能にできるような『同時多数接続』を目指しているそうです。
つまりこれを計算すると、将来的には5Gでは4Gの10倍以上の端末が同時に接続できるようになるのです。

ブログの中の、ジャズフェスでの投票企画は妄想ですが(ジャズフェスは実際に開催されています)、混雑したイベント会場でもスマホから一斉投票が可能になるのは、『同時多数接続』の特徴によって実現できそうです。
混雑したイベント会場だけでなく、家の中の家電や電子機器をすべてネットワークで繋いで連動させたり、街中の道路の情報と車ごとの情報を連動させて自動運転の仕組みにも使ったりできそうです。

2020年に『5G元年』を迎えたことで、これからますます加速していく通信テクノロジー。
仙台で何気なく暮らす毎日にも5Gが入ることによって、もっと便利に・もっと楽しく・もっと豊かに変わっていくかもしれません。

PROFILE

株式会社NTTドコモ

NTTドコモでは、2019年秋に5Gのプレサービスを開始し、 2020年3月25日に商用サービスを提供開始いたしました。 5Gの特徴である「高速・大容量」「低遅延」「多数接続」を活かし、 スポーツ、ゲーム、音楽、観光、医療、一次産業など様々な分野で、 新たなビジネス創出や、社会課題の解決をめざしていきます。