05/14FRI
LAB
仙台のIT企業みんなで考える、
AI = Artificial Imoni
あり得るかもしれない芋煮会
日本の未来の課題に対し、仙台ならではの視点で解決策を妄想している連載「未来妄想ラボ」。 今回のテーマは仙台名物の「芋煮会」。伝統を重んじながらIT都市仙台の技術を駆使して「あり得るかもしれない芋煮会」を考えてみました。
その方法は、仙台市屈指のIT猛者、芋煮好きさん、AI好きさんを招き、オンラインでのアイデアづくりに適したフレームワークを使って「あり得るかもしれない芋煮会」を自由に楽しくブレスト。
SENDAI SIDEでは、ブレストで出たアイデアを元に、仙台で暮らす架空の社会人のブログを妄想。 IT SIDEでは、実際のブレストの内容をご紹介します。さあみなさんも一緒に、「あり得るかもしれない芋煮会」の世界へ……!
20XX年4月
「仙台市内のIT企業に入社」
この春秋田の大学を卒業した私は、20XX年4月から仙台市内のIT企業で働くピカピカの新入社員。 AIを使ったデータ分析のシステム開発のために、いまはプログラミング勉強の真っ最中だ。
ところで、仙台新参者の私には、気になっているイベントがある。 それは「芋煮会」。なんでも、仙台では秋になると河川敷や公園で皆で鍋を囲み食事をする伝統行事があるらしい。
旅行で仙台にきた時に一度見かけたことがあるけれど、私には参加するには程遠いだろう。 未知なる芋煮会、果たしてどんなルールがあるのだろうか。分からないことだらけで、まだまだハードルは高い。
誰か開催してくれないかなぁ。
20XX年9月
「IT芋煮会を楽しむデバイス」
入社して半年。仕事には慣れてきたけど、社外の知り合いが仙台にいないのは寂しい。そんなことを考えていると、先輩から会議室に呼ばれた。何か失敗したかな?
「選ばれしIT企業だけが主催できる『IT芋煮会』を担当してほしい。主催者も参加できるから、まずは参加してみたらいいよ」
そう言われ、渡されたのはレーダーがついた大きな鍋。 先輩がレーダーのスイッチを入れると、方眼の画面が映し出された。中央には光っている点がある。
「芋煮会が開催されると、通知が来るようになっているんだ。地図には仙台のランドマークも表示されるから、それをヒントに行ってみるといいよ」
同時に流れ出す音声。なにやら、レーダーには音声版SNSの機能がついているようだ。 この鍋で芋煮会が開催されると、そこで話されている会話とそのテーマがリアルタイムで公開/視聴できる仕組みらしい。
しかも開催するときは近くのスーパーに通知され、開催場所にいも煮の材料や準備物を届けてくれるらしい。なんと便利な……。
「同じIT企業だから安心だし、趣味のことなら気軽に話せるから、まずは参加してみなよ」
よく分からないけれど、「芋煮会」に参加できるチャンスかもしれない。
20XX年10月
「オープンコミュニティとしての芋煮会」
休日、ふとレーダーをつけてみると、昔好きだったアクション映画の話がテーマになっていた。
「この監督ならこの作品もいいんだよな……」「こういう視点もあるのか!」話を聞くうちに、実際に会って語り合いたくなってきた。
初対面の人との初めての芋煮会、少し怖いけど、好奇心の方が勝った。意を決し、鍋を抱えて外に出てみた。
トラストタワーや河北新報社の前を通って、五橋駅の方に歩いて……途中で、おしゃれなカフェや食事ができるところを見つけることができた。 今度、先輩を誘って行ってみようかな。
レーダーの示す場所へ行くと、芋煮会をしているグループを発見。 鍋を持った私を見つけて、笑顔で近づいてくる人をよく見ると、懐かしい思い出が蘇った。
あれ? もしかしたら、中学生の時に同じクラスだった佐藤さん?
佐藤さんは仙台の大学を出て、別のIT企業に就職したらしい。 昔、アクション映画の話で盛り上がったことを思い出して、懐かしくて嬉しい気持ちになった。
他のIT企業の皆さんも、仙台やIT企業のことを教えてくれて有意義な時間を過ごすことができた。
ちょっと寒かったけど、芋煮を食べて温まるのはとても楽しかった。来年は勇気を出して開催してみようかな。
今回、SENDAI SIDEのストーリーの元となった、「あり得るかもしれない芋煮会」のブレストに参加してくれた仙台市屈指のIT猛者、芋煮好きさん、AI好きのみなさんです。
【ファシリテーター】
SENDAI INC.編集部
【参加者】
IoT.Run 櫻井さん 佐々木さん
ミヤックス 星川さん
ラナエクストラクティブ 庄子さん 福元さん
宮城大学 学生 相馬さん
伝統文化である「芋煮会」の課題を出し、IT技術で解決する方法を考えていただきました。
現在の芋煮会の課題ってなに?
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SENDAI INC:現在の芋煮会の課題は何でしょうか。
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相馬さん:私は宮城出身ではないので、芋煮会に参加したことがありません。
準備するものやルールがあるのか、どこでやったら良いのか、分からないことだらけです。 -
SENDAI INC:初めてだと、どこで誰がやるのか分からないですよね。
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福元さん:僕は、子供の時に楽天球団の応援団に所属していて、そこで芋煮会をしました。
何かしらの団体で開催するイメージがあります。 -
星川さん:誘われたら行きたいけど、開催するにはハードルが高いのかもしれませんね。
【芋煮会の課題】
・県外の人にはルール(準備物、場所、ルール)が分からない
・何か団体に所属するなどのコミュニティに所属しないときっかけがない
・誘われたら行くけれど、主催をするのはハードルが高い
ITを使って課題を解決
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SENDAI INC:主催者がいて、開催場所が分かれば課題は解決できそうですが、何かITを使った方法はありませんか?
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櫻井さん:某アニメに出てくるレーダーを見て、集まることができる「芋煮デバイス」があったら楽しいな〜。
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庄子さん:「Clubhouse」のような機能を追加して、好きなテーマで話をしているところに参加できたらいいですね!
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相馬さん:同じIT企業同士なら、女性でも安心して参加できそう!
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星川さん:IT企業の先輩から後輩へ鍋が引き継がれれば、経験者が開催することができますね。
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佐々木さん:主催する立場として考えると、開催を近くのスーパーに通知してくれ、材料を持って来てくれるとハードルが下がるのでは?
【課題の解決方法】
・デバイスを使って集まる仕組み
・音声SNSで好きなテーマのコミュニティを見つけて参加できる
・会社内で先輩から後輩へ引き継ぐことで、「芋煮会」経験者となれる
・自動で材料を持ってきてもらえると準備物へのハードルが下がる
キーワードは「芋煮会のオープンコミュニティ化」
ブレストの中でポイントとなったのは3つのシステム。今までは仲の良い人だけで開催されてきた芋煮会を、仙台に移住したばかりの人でも楽しめ、コミュニティが広がるきっかけにしたいと考えました。
① 材料を届けてくれるシステム
手ぶらで簡単に開催できるので、慣れていない人でも気軽に始めることができます。
②仙台の街並みを楽しめるアクティビティ
レーダーには目印となる仙台の建物が映り、詳しい地図は掲載しない。場所を探すのも楽しみの一つとしてもらいます。
③テーマ設定で人と人をつなげるきっかけづくり
SNS機能を採用することで、新しい出会いのきっかけをつくります。
芋煮会のあり方を変える新サービスが開発されるかも?
アイデアがまとまり始めたところで時間終了となってしまい、まだまだ参加者の皆さんは話したりない様子でした。また、ブレストを通して、こんな感想がありました!
「人のつながり方を考える機会となった」 「もっと発展させて、企業間や企業と学生をつなぐものになれば良い」 「芋煮会特化型なので、仙台ならではのサービスとなりそう」 「これからもっと真剣に取り組み、サービス化したい!」
想像すると創造できる。「こんな芋煮会があったらいいな」という想像が、新しい未来を創るきっかけとなることを実感しました。仙台のIT好きの皆さんの力で、これからの新しい芋煮会が生まれるかもしれません。