08/26WED

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仙台から世界を目指す。
TOHOKU GROWTH
Acceleratorの卒業生はいま

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株式会社ZIGが運営するVtuberのファンコミュニティサービス「MeChu(みーちゅー)」。Vtuber専用プラットフォームでは初となる、サブスクリプション型の支援システムを採用しています。


ファンからの継続的な支援により、Vtuberは活動に集中できる

本格ローンチ前にリリースしたベータ版では、ひとつの指標としていたユーザー一人当たり6500円の売り上げを達成するなど、大躍進を続けるこのサービス。

実はこの「MeChu」、2019年に仙台で開催された『TOHOKU GROWTH Accelerator(東北グロースアクセラレーター)』でブラッシュアップを重ね、それをきっかけに大きな飛躍を遂げたサービスなのです——。


ユーザーは課金することで、応援するVtuberの活動を支援できる

この記事では、『TOHOKU GROWTH Accelerator』を開催する目的や具体的なプログラムの内容をお伝えすると共に、「MeChu」を運営する「株式会社ZIG」のその後に迫ります。

これから起業を目指す人はもちろん、事業のグロースに頭を悩ませている経営者はお見逃しなく!

TOHOKU GROWTH Acceleratorとは?

TOHOKU GROWTH Acceleratorは、仙台市が東北のスタートアップ企業や起業家らに提供している育成プログラム。大学の研究成果やICTを活用し、東北から世界に通じるイノベーションの創出を目指して2017年にスタートしました。

TOHOKU GROWTH Acceleratorの目的は?

東日本大震災からの復興の過程において起業活動が活発化した仙台市の開業率は、政令都市のなかで福岡市に次ぐ2番目と、スタートアップ都市への道を躍進中です。

そのためにも、地域経済活性化の重要な役割を担うスタートアップ企業やベンチャー企業の成長を支援。多様な働き方を生み出していくために、プログラムを開始しました。

資金調達を目指す「グロースコース」

育成プログラムは、コースによってさまざまな内容を用意。

たとえば、次のステージに向け資金調達を目指すスタートアップ企業向けの「グロースコース」では、参加者それぞれに専属のメンターを配置。起業家らの経営理念や起業に至った背景、そして現状の課題をシェアしながら事業のブラッシュアップを行います。

東京証券取引所や株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズから講師を招き、スタートアップにとってゴールのひとつとなるEXIT(IPOやM&A)やスタートアップの成長戦略事例など、さまざまなテーマでレクチャーを実施します。

プログラムの最後に待ち受ける「Demo Day」に向け、起業家同士の相互メンタリングやピッチトレーニングも実施。「MeChu」を運営する「株式会社ZIG」が参加したのもこちら。

事業開始を目指す人向けの「スタジオコース」

事業開始を目指す若手起業家や家業を持つイントレプレナー向けの「スタジオコース」では、デザイナーや先輩経営者がメンターとなり、事業ターゲットの仮説検証やブランディングなどについて学ぶワークショップを実施。

「Demo Day」に向けたピッチトレーニングを実施し、オーディエンスに対して効果的なプレゼンテーションのノウハウをメンターとともに考えます。

ここからは、「MeChu」を運営する株式会社ZIGの小泉拓学(こいずみ・たくみち)代表取締役社長に、『TOHOKU GROWTH Accelerator』に参加した目的や、そこでの学びをどうビジネスに活かしたのか、お聞きしました。

ZIGってどんな会社?

株式会社ZIGは、2014年2月に設立したベンチャー企業。「リアルとバーチャルを融合し、新世界を創造する」をビジョンに、SNSマーケティング事業とVtuberプロダクション事業、そしてプラットフォーム事業の3事業を展開しています。


「MeChu」はプラットフォーム事業で展開するサービス

サービスがマーケットにフィットするか確認したかった

  • SENDAI INC:さっそくですが、『TOHOKU GROWTH Accelerator』に参加した目的を教えてください。

  • 小泉さん:まだ「MeChu」のベータ版をリリースして間もない頃だったんですが、正式にローンチする前にいろいろな人にサービスの概要などを知ってもらい、批判も含めてさまざまな意見をいただくのが大きな目的でした。

  • SENDAI INC.:正式ローンチ前に意見を聞く意図とは?

  • 小泉さん:「MeChu」はVtuber専用プラットフォームでは初となるサブスクリプション型の支援システムを採用しています。

    Vtuberはもちろん、サブスクリプション型の支援システムというのも新しいコンテンツなので、マーケットにフィットするかどうかを確認したかったんです。

  • SENDAI INC.:『TOHOKU GROWTH Accelerator』の結果次第では、大きく方向転換する可能性もあったと。

  • 小泉さん:そうですね。

    ただ、Vtuberのライブ配信のプラットフォームはすでに事業化していて、50人ほどのVtuberが弊社に所属しています。ある日、ファン向けのイベントを開催したら、1週間で1000万円の投げ銭が集まったんです。

  • SENDAI INC.:もともとファンが多かった、ということですか?

  • 小泉さん:いえ、そこまで多くのファンを抱えているわけではありませんでした。

    弊社に所属しているVtuberはもともとそこまで有名なわけではなく、Youtubeチャンネル登録者数も1000人程度。ですので、非常にエンゲージメント率の高いファンがついていることが分かったんです。

  • SENDAI INC.:熱量の高いファンが多いんですね。

  • 小泉さん:おっしゃる通りです。

    なので、仮説としてはVtuberの活動を支援するために、たとえば毎月3000円を課金してくれるファンは多く、サブスクリプション型のファンコミュニティは成立すると。その仮説を『TOHOKU GROWTH Accelerator』で検証したかったんです。

参加したことで、経営者としての目線が上がった

  • SENDAI INC.:『TOHOKU GROWTH Accelerator』に参加してみていかがでしたか?

  • 小泉さん:たくさんの方に知っていただき、多くの意見をいただけてとても勉強になりました。

    一番うれしかったのは、株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズの今野さんから「どうしてまだこのステージにいるんだ。もっと早く上のステージに来なさい」って言われたことですかね。

    このひと言は、今でもモチベーションにつながっています。

  • SENDAI INC.:自信がつきますね! 具体的に「MeChu」に反映した意見などはありますか。

  • 小泉さん:仮定としては間違っていなかったので、方向性を大きく変えることはありませんでした。ですが、経営者としてのマインドが大変参考になりました。

  • SENDAI INC.:経営者のマインドとは?

  • 小泉さん:経営者としての目線が上がった感じです。

    近所の裏山に登るなら軽装でもいいかもしれませんが、僕たちは世界一の山を目指しています。ですので、ちゃんとした装備を用意しておかないといけない。そういった心構えの部分ですね。

    あとは、地方で戦っている仲間やメンターの方々の熱気から、仙台のスタートアップの盛り上がりを感じ、大きな刺激にもなりました。

コミュニティが形成できたのもメリットのひとつ

  • SENDAI INC.:『TOHOKU GROWTH Accelerator』に参加した後も参加者やメンターなどとは関わりはあるんですか?

  • 小泉さん:もちろんです。グロースコースにエントリーした5人とはその後も食事をしたり、あるピッチ大会に5人で一緒に出場したり。

    『TOHOKU GROWTH Accelerator』が終わって1年以上経っていますが、今でもお互いに刺激を受け合っています。

  • SENDAI INC.:そういう横のつながりができるのも『TOHOKU GROWTH Accelerator』に参加するメリットのひとつなんですね。

  • 小泉さん:そうですね。普段、お客さんとは関係性をつくれますが、経営者同士ってなかなかつながりづらいんです。

    一方、『TOHOKU GROWTH Accelerator』には医療系や教育系など、さまざまな業種の方がエントリーしているので、業界を超えたつながりもつくれる。井の中の蛙にならなくて済むんですよね。

  • SENDAI INC.:孤独になりがちな経営者にとってはありがたいですね。

  • 小泉さん:そうなんです。あとは、審査員として参加されていた株式会社オプトベンチャーズのパートナー(当時)の菅原さんからは、御好意で月に1度アドバイスをいただいています。

    その他にも、2019年には株式会社MAKOTOキャピタル様などから追加で投資いただくなど、その後の景色が大きく変わりました。

失敗なんかしてもいい。それが学びになるのだから

  • SENDAI INC.:『TOHOKU GROWTH Accelerator』に興味があるけど、なかなか踏み出せない、という方へのアドバイスをお願いします。

  • 小泉さん:これまで僕もたくさん失敗してきました(笑)。でもいいんです。チャレンジなんて十中八九、失敗しますから。

    チャレンジすることは悪いことではないし、もし失敗しても引き際がきれいだったら、次のチャレンジを支援してくれる人も必ずいる。僕の場合がそうでした。

  • SENDAI INC.:失敗から学ぶこともありますからね。

  • 小泉さん:そうなんです。支援してくれる人も、失敗することは想定の範囲内。失敗したところで、責められることなんてないんです。気になってるなら、どんどんエントリーするべきだと思いますね。

『TOHOKU GROWTH Accelerator』に参加したことで、経営者としての新たなマインドや横のつながりを得ることができたという小泉さん。これらを武器に、世界一を目指す彼の今後の活躍からも目が離せません

次回の『TOHOKU GROWTH Accelerator』のエントリー受付は2020年9月18日(金)から始まる予定です。
興味のあるスタートアップ企業の経営者や若手起業家のかたは、失敗を恐れずぜひエントリーを!

PROFILE

ZIG inc.

リアルとバーチャルを融合し、新世界を創造する”という理念のもと、サブスクコミュニティプラットフォームである「MeChu」の運営とSNSマーケティング事業を手がけるスタートアップ企業。

小泉 拓学(こいずみ・たくみち)

2004年:株式会社K sound design設立 2007年:ソーシャルカードゲーム「モバイルウォーズ」を開発 モバゲータウン、オープンプラットフォーム先行開発パートナー30社に採択。合計会員数70万人を達成 2011年:東日本大震災に被災。翌年、㈱K sound design廃業 2013年:NAVERまとめにてキュレーターとして活動開始。月間300万PVを達成。NAVERまとめ全キュレーター3000人中第2位 2014年:株式会社ZIGを設立 2014年:自社メディアがリリース7ヶ月で1700万PV突破 2014年:SNS(Twitter/Facebook等)185万フォロワー達成

株式会社ZIG

Photo:岡崎睦
Words:幸谷亮