05/27WED
LAB
キャッシュレス化で
変わる仙台の暮らし
私たちの生活はどう変わる?
財布を出さずにスマホで「ピッ」——。
今や、わたしたちの暮らしにおいて欠かせない存在となったキャッシュレス決済。便利で簡単、加えてポイント付与まであり、今後ますます盛り上がりが期待されるサービスです。
国や自治体もキャッシュレス決済を推奨する一方、現金を利用する方も多いのも事実……。そこでこの記事では、実際にキャッシュレスで1日を過ごしてみる、という挑戦をしてみることに。「便利だから」「お得だから」だけにとどまらないキャッシュレスの魅力を、余すところなくお届けします!
キャッシュレスで1日過ごせるの?
キャッシュレス体験をしてくれたのは、仙台に住む大学4年生の庄子 巧(しょうじ・たくみ)さん。
この日は友人とランチの約束があり、仙台駅に降り立った庄子さん。しかし、ここである重大な事実に気がつきます。
「財布を家に忘れてきた……!」
約束の時間まであと10分。もう戻っている時間はない。そうだ、キャッシュレスしよう。
「現金の方が管理がしやすい」と、普段は現金をよく利用する庄子さんですが、今日は幸運にもチャージ済みSuicaを持っていたのでひと安心。
あとは、物は試しにとインストールしたPayPayなども併用して……さあ、果たして庄子さんは財布を取りに戻らず1日を過ごせるのか?レッツ、キャッシュレス体験!
まずは、ルールを簡単にご説明します。
・基本はキャッシュレス決済
・コンビニエンスストアは利用しない
・300円以上現金を使ってはいけない
この条件に基づき、果たして1日を過ごせるのでしょうか。
一抹の不安を抱えながらも、喉が乾いたので、ペットボトルのドリンクを買うためにドラッグストアへ。
お次は、週末のデートに向けて観光情報誌を買いたいという庄子さん。しかし、どこの書店がキャッシュレスに対応しているのか分からない……。
-
庄子さん:「キャッシュレス決済を使わない理由のひとつがこれ……。全部のお店で対応しているわけではないので、それならどこでも使える現金のほうが安心ですからね」
そんな時は、PayPayアプリで検索すれば大丈夫!
PayPayアプリには、PayPayが使えるお店を検索する機能がついていて、対応店舗が分からない場合は検索機能を使えば簡単に調べられます。
仙台駅の近くにある書店でPayPayを使えることが判明!
そうこうしているうちに、友人との待ち合わせの13時が迫ってきました。
合流して、仙台駅構内にあるカフェに入ります。
食事が終わると、友人のお代も庄子さんがSuicaでお支払い。
まだ時刻は14時過ぎ。次の予定まで時間があるので、気分転換がてら友人と一緒に仙台城址へ向かいます。
るーぷる仙台はもちろん、仙台市地下鉄やバスなどの公共交通機関でSuicaが使えるのは周知の通り。庄子さんも普段は、公共交通機関に乗る時だけキャッシュレス決済しているそう。こういう人、きっと多いのでは?
るーぷる仙台に揺られることおよそ30分。お目当ての仙台城址に到着です。
仙台城址をひと通り満喫したところで、お土産処に向かった庄子さん一向。仙台の街中から離れた仙台城址でも、キャッシュレスでお買い物できるのでしょうか。
-
庄子さん:「お土産処でキャッシュレス決済に対応しているのは意外でした。財布を忘れても、なんとかなるもんですね(笑)」
歩き疲れて喉が渇いた様子の庄子さん。先ほどドラッグストアで買ったドリンクは飲み干したので、仙台城址内にある自動販売機で炭酸飲料を買うことに……。買えるかな?
最近は、交通系電子マネーだけでなく、PayPayなどのバーコード決済、クレジット決済にも対応した自動販売機が登場しています。
喉も潤ってあとは仙台駅に戻るだけ。でも、次のるーぷる仙台が来るまで30分もあります。そこで、徒歩15分ほどの場所にある仙台市地下鉄・東西線「国際センター駅」まで歩き、地下鉄で仙台駅を目指すことに。レッツ、ウォーキング!
そうして庄子さんのキャッシュレス体験は終了。この日、使ったお金をまとめると……
・ドラッグストアでドリンクを購入(88円)
・書店で情報誌を購入(1100円)
・友人とのランチ代(2508円)
・仙台城址までのバス代(260円)
・仙台城址で買ったお土産代(800円)
・仙台城址でドリンクを購入(160円)
・仙台駅までの地下鉄代(210円)
合計5126円
ポケットに入っていたなけなしの300円を使わず、すべてキャッシュレス決済できちゃいました。最後に、キャッシュレス体験をしてみた感想を聞いてみました。
-
庄子さん:「キャッシュレス体験をする前は現金を持っていないことに少し不安でしたが、意外と対応しているお店も多くてなんとかなりました。でも、書店などは検索しないといけないなど、もっと幅広いお店で対応してくれたら安心して財布を忘れられますね(笑)」
取材日:3/5
難なくお財布なしで1日を乗り切ることができる、とわかったキャッシュレス体験記。
仙台市では、仙台市中心部の対象の店舗でキャッシュレス決済をすると商品券などがもらえるスタンプラリーやガラポン大抽選会を行う「杜の都キャッシュレスタウン」プロジェクトを開催するなど、キャッシュレス促進に取り組んでいます。今後、さらにキャッシュレス化が進みそうです。
今後さらにキャッシュレス化が進むことによって、私たちの暮らしはどう変わるのでしょうか。株式会社NTTドコモ東北支社の丹生さんにお聞きしました。
-
SENDAI INC.:「杜の都キャッシュレスタウン」プロジェクトは、仙台市、七十七銀行、仙台市商工会議所など、複数の団体と協力した取り組みだそうですが、この中でNTTドコモ東北支社はどのような役割を担っているのでしょうか?
-
丹生さん:地域活性化推進の取組みとして、仙台市での消費税増税に先進的に取り組み、お店側がキャッシュレス決済端末を設置する際に、現金以外の決済手段すべてに対応可能であるオールインワン端末を選定するなどの支援を行っています。
-
SENDAI INC.:キャッシュレス化が進むことで、ユーザーにとってはポイント付与などのメリットがあるのはイメージできるのですが、店舗側にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
-
丹生さん:実は、キャッシュレス決済を導入するだけでは、すぐにお店の売上が上がったり、商店街の活性化を実現できるわけではないのです。
キャッシュレス決済を導入して取れたデジタルデータを活かし、個店単位ではなく商店街など一定のグループ単位での購買特性データ、属性データと組み合わせて分析し、より多くの集客につなげるマーケティング活動を展開することで、活性化効果が得られると考えております。
-
SENDAI INC.:仙台市のような商店が多い街でキャッシュレス決済導入が進むと、お店にはどのような影響がありそうですか?
-
丹生さん:今まで、小規模な商店1店舗がマーケティングをしようとしても、大型チェーン店のようなデータがない分、難しい側面がありました。
しかし、キャッシュレスを自治体、地元金融機関、決済事業者を含め、日ごろ関わりのある企業・団体が一つの方針に向かい歩みながら、統計データ集積>解析>商店街=店舗と定めたマーケティングを行うことで、
産官一体となった地域活性への取り組みが実現できると考えております。
その結果、市民および観光客の皆さまが”活発”であり、”活気溢れる”買い物しやすい街・仙台に足を運んでくれるものと期待し取り組んでおります。
Photo/Words:幸谷亮
PROFILE
NTTドコモでは、2019年秋に5Gのプレサービスを開始し、 2020年3月25日に商用サービスを提供開始いたしました。 5Gの特徴である「高速・大容量」「低遅延」「多数接続」を活かし、 スポーツ、ゲーム、音楽、観光、医療、一次産業など様々な分野で、 新たなビジネス創出や、社会課題の解決をめざしていきます。