12/19THU

MEET UP

アプリ開発の頂点を目指せ!
アツい学生が集結した
東北最大級のアプリコンテスト
DA-TE APPs!2019

今、IT都市として生まれ変わろうとしている仙台市。ビジネス的視点も備わったIT人材の育成を目指して、地元IT企業が主軸となって、あらゆる形で若者をサポートしています。
その一環として、2019年2月23日、グローバルラボ仙台やDA-TE APPs!実行委員会、仙台市主催で「DA-TE APPs!2019」が開催されました。「DA-TE APPs!」は、未来有望な東北の学生たちがハイレベルな戦いを見せると話題のコンテストで、今回が5回目となります。

 

ジャンルは、身近な課題をITの力で解決するITコンテストの「課題解決型サービス部門」と、開発した新作ゲームで勝負するゲームコンテストの「GLS for Education部門」、「ゲーム部門」に分かれています。
さらに今回は、東北6県在住者だけでなく、フィンランド・オウル市のオウル応用科学大学からのチームもテレビ中継で参戦!
熱いバトルの果てに優勝を掴み取った、各部門の覇者にスポットを当てました。

SNSで見つけたお店に即、たどり着ける。グルメ育成アプリ「Glip」

ITコンテストの「課題解決型サービス部門」参加したのは4チーム。身近な課題をITで解決するサービスを、仙台のIT企業の指導のもと、半年かけて制作しました。

 

 

SNSをベースに開発されたグルメアプリ「Glip」は、「SNSで見つけたお店に行きたいけど、探すのがめんどくさい」という悩みに応えたサービス。
気になるお店を事前に登録しておくことで、行きたい時に現在地からお店までのマップを出すことができ、お店の近くにいると通知で知らせてくれるので、「この近くで探したい」なんて時にも便利! 美味しいお店との出合いを逃さないアプリです。

 

DA-TE APPs!2019の様子

―審査員の皆さん、受賞ポイントはどこですか?
「Twitterで『このお店いいな!』と思ってもつい流れてしまう。後で見返して、思い出した時にすぐにお店の情報までたどり着ける、という着眼点が良かったです」

 

fishersの皆さん

―fishersの皆さん、アプリを制作していく上で難しかったところは?
「Twitterの文章のうち、お店の情報を、地名と店名を分けて抜き取る仕組みを作るのが難しかったです。また、学校の研究とアプリ制作を両立するのが時間的に大変でした」

悪魔の世界から少女を救え!
超コスパな3Dゲーム「Nightmare Qube」

開発したゲームをリリースし、その売上金額で競う「GLS for Eduction部門」。仙台市内でゲームを学ぶ専門学校から選抜された4チームが、仙台のゲーム企業の指導により、半年かけてアプリゲームを開発しました。今回はフィンランドからも2チームが参戦!

 

Nightmare Qubeの画面

 

グランプリに輝いた「Nightmare Qube」は、ヒューマンアカデミー仙台校によるチーム「Human Power」。
悪魔の世界に迷い込んだ少女を救うため、少女が乗ったキューブをほかのキューブと合体させ、高さを変え、高低差のある扉を目指します。ステージは100ステージあり、価格は120円で販売中。売上げ金額は、33,705円でした。

 

GLS for Eduction部門の様子

 

―審査員の皆さん、受賞ポイントはどこですか?
「ステージが100面とボリュームがあり、アプリの値段が120円で、1面1.2円。安いというところに加え、Human Powerがゲームをリリースしたのは12月20日。 比べて他のチームは年が明けてからの配信だったので、スタートダッシュの差が大きかったですね」

 

Human Powerの皆さん

 

―最優秀賞に選ばれ、いかがですか?
「たくさんの壁がありましたが、3人で協力し乗り越えて掴んだ最優秀賞なので、とても嬉しいです」

 

―アプリを制作する上で大変だったことは?
「売上がなかなか上がらない中、地元のゲーム企業に足を運んでPRし、ポスターを作って宣伝をしたりと、工夫をして売上を上げる努力をしました。
また、ゲームの絵に関しては、チームにデザイナーがいなかったということもあり、他の学校に依頼したり、という部分が大変でした」

単純に見えて奥深い!光の道を繋げるゲーム「COSMOS!」

 

一次審査を通過した7チームが、一年間かけて開発したアプリゲームを武器に戦う「ゲーム部門」。業界で活躍中の審査員の評価で優秀賞が決まるこの部門を制したのは、東北電子専門学校のチーム「たくや」による「COSMOS!」です。

 

COSMOS!の画面

 

L字型のオブジェクトをタップで回転させ、光の道を作るゲームで、オレンジ色のダイヤに到着したらゴールです。一見、単純に見えますが、オブジェクトと様々なギミックを工夫し動かさなければならない、奥深い作りになっています。
ステージ数は100ステージ。行き詰まった時はヒントボタンもあり、レビューでも高評価を獲得していました。

 

審査員の皆さん

―審査員の皆さん、受賞ポイントはどこですか?
「操作も簡単でシンプルな面白いゲーム。100ステージのボリュームがあり、やりごたえがあります。そして何より、ゲームとしての完成度が高かった点です」

 

たくやの皆さん

―チーム「たくや」の皆さん、最優秀賞に選ばれた感想は?
「誰かに評価されて賞を受け取るということが初めてだったので、とても嬉しく、今は達成感でいっぱいです」

―アプリを制作する上で大変だったことは?
「アプリに広告を付けるのは初めてのことで、それが思った以上に大変で……。ゲームを作るのと同じくらい、時間がかかりました」

上がり続けるハードルを乗り越えて脱出せよ!
特別審査員賞「Fungeon Crawl」

 

オウル応用科学大学の皆さん

今回のDA-TE APPs!では特別優秀賞が登場。受賞したのは、オウル応用科学大学による作品。地下道の中、敵を倒しながらアイテムを集めて脱出するゲームアプリ「Fungeon Crawl」です。

―審査員の皆さん、受賞ポイントはどこですか?
「ユーザーの視点から見れていて、ゲームのやり方の説明がなくてもできるという分かりやすいがポイントでした」

過去5年の中で一番のパワーアップ!審査員が学生に求めること

 

株式会社サイバーコネクトツー 代表取締役・松山さん

 

今回で5回目となる本コンテスト。業界で第一線で活躍する審査員の皆さんは、学生のバトルをどのように見ているのでしょうか。審査員長の株式会社サイバーコネクトツー 代表取締役・松山さんにお話を伺いました。

 

―今年のDA-TE APPs!で発表していた学生達はいかがでしたか?
「5年間の中でも、学生達が作るゲームそのものはパワーアップしていました。何より若さ含めて感心するのが、もの応じせず壇上に立ってプレゼンする姿勢。若さと勢いを感じ、感心しました!」

 

―学生達には今後、どのように活躍してほしいですか?
「ものづくりは、今後も続けて欲しいです。卒業して就職が決まっている方は、その道で頑張って欲しい。まだこれから学生生活が続く方は、作品の数をとにかく作って、販売するということを意識してください。またそれでパワーアップしてくれると、嬉しいです」

 

学生も大人も、開発好きな全ての人が一つになる、DA-TE APPs!。 注目の集まる受賞者ですが、実際、受賞後ってどうなるのでしょうか。 気になる元受賞者の方の現状を探って見ました。

あの受賞者は、今。
DA-TE APPs!、受賞したらどうなるの?

母良田 知騎さん

 

2017年開催のDA-TE APPs!に参加した母良田 知騎(ほろた・ともき)さん。現在はIT企業・バレットグループ株式会社に勤務。今回のDA-TE APPs!では運営側として参加されています。今回は、受賞後の活動など、その後についてお話を伺いました。

 

Trick Qubeの画面

 

こちらは、2017年に母良田さんのチームが制作した「Trick Qube」。操作は簡単で、画面をスライドしてカメラを動かすだけ。コロコロ転がる赤いブロックをゴールへ導きます。
道が途切れていて進めないときは、カメラを動かして、ブロック同士がつながって見えるようにすると進める、という、錯覚を利用したパズルゲームです。

 

GLS for Education部門の結果発表

 

―母良田さんが出たときのDA-TE APPs!の思い出は?
「優勝発表のとき、自分のチームの名前が呼ばれず、心の底から悔しかったんです。 また、発表終了後の懇親会で思いきって、GLSの関係者の方に優勝商品であったフィンランド行きを2位の自分でも実費でもいいので、行けないかと交渉してフィンランドに行ってGLSに参加したことが思い出にあります」

 

ハッカソンのイベントに参加した際の母良田さん

 

―フィンランドではどんな活動をしたのですか?
「ハッカソンという開発のイベントに参加させていただき、『センサーを使ったサービス』というお題のもと、限られた期間の中でアプリを作りました。その時は、サンタクロースにちなんだゲームを開発しました」

 

―フィンランドでの開発と日本での開発では、どこが違いましたか?
「大きく違うと思ったことは、フィンランドの方はお金を産むための工夫を考えてゲームの制作に取り組んでいた点です。それがすごく印象に残り、勉強にもなりました」

 

―DA-TE APPs!やフィンランドでのGLSに参加して、良かったことは?
「自分が作ったゲームアプリが、IT業界で活躍されている方々に評価されることです。それって、学生生活の中ではなかなか体験できることではないので、とても勉強になりました。 またGLSでは外国の方々の考え方を知ることで、視野が広がりました」

 

ハッカンソンでの風景

―今回のDA-TE APPs!2019では、運営側として参加されていましたね。
「はい。学生や後輩の育成に関わりたく、自分の経験を伝えたり、開発の部分でも何か力になれたらと思い、参加を決めました」

 

母良田 知騎さん

 

―これからDA-TE APPs!に参加する学生の方々にアドバイスをお願いします!
「DA-TE APPs!では、IT業界で活躍されている方々との距離感が近く、普段では会うことができない方々と会える機会です。 自分から積極的に話をしたり、聞きたいことがあれば聞くことをおすすめします。 また、サービスを開発する面でも仕組みが整っているので、期間は限られていますが、この期間の中でたくさんのことにチャレンジして成長につなげていってほしいです」

学生時代に、同世代のトップランナーたちとしのぎを削る「DA-TE APPs!」は、きっと最高の思い出になるはず。
次回の「DA・TE・APPS!2020」は、2020年2月24日(月)。 観覧は定員100名。ぜひお早めに!
「DA-TE APPs!」をきっかけに、日本を代表する開発者が生まれるかもしれません。