03/19FRI
MEET UP
DA-TE APPs!2021
学生のITビジネスを加速する
2人のキーマンにインタビュー
東北最大級のビジネス&ゲームコンテスト
DA-TE APPs!2021開催
第7回目となる東北最大級のビジネス&ゲームコンテスト「DA-TE APPs!(ダテアップス)」。
SENDAI INC.でも2年連続で取材をし、東北の学生たちの熱い戦いを追ってきましたが、今回はイベントや学生の育成を支えるキーマンのお二人、グローバルラボ仙台コンソーシアム(GLS)事務局の佐藤 隆嘉さん、ご自身もIT部門で3年連続最優秀賞を受賞した経験を持つメンターの林 大悟さんにお話を伺いました。
学生のITビジネスを加速させるヒントをお届けいたします!
社会の課題を見つけ、解決するIT部門
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SENDAI INC.:メンターの林さんは学生時代、東北大学在学中にDA-TE APPs!のIT部門に出場し、3年連続最優秀賞を受賞。
現在は都内のIT企業でエンジニアをしつつ、個人でも開発業務などを行っているとのことですが、今回運営していて大変だったこと、良かったことは何ですか? -
林さん:DA-TE APPs!までの約半年間、学生たちは企画とサービスの実装を進めていくのですが、半年というのはビジネスを作るには短い期間なんですね。
でも未経験の彼らにとっては長い期間であり、モチベーション維持が非常に重要となります。
ところが今年度は、コロナ禍でオンラインでの開催となりました。オンラインでのやりとりはメンターや他の学生との交流機会の減少となり、学生が受ける刺激が少なくなりました。
より密なコミュニケーションを心がけていましたが、例年よりモチベーションが維持しにくい状態となっていたと思います。
そのような状況で、半年間サービス開発に取り組んだ経験を彼らが得られたことは非常に良かったと思いますし、これからの大きな糧になるのではないかなと感じています。
興味のある分野に飛び込んでほしい
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SENDAI INC.:GLSに参加する学生に対して期待することを教えてください。
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林さん:学業を第一に考えてほしいと思っていますが、さらに数年先を見据えて自分の興味のある分野に取り組んでみることは、自分を豊かにすることに繋がります。
新しいコミュニティに飛び込んでみると、飛び込む前に感じていた不安を大きく上回る経験と楽しさが得られます。
その経験は、数年後の自分のためだけでなく、今の自分が楽しく生きるための大きな役割を果たすと信じています。
来年以降もまたチャレンジ意欲を持った学生たちが参加して、学びを得ることを期待しています。
仙台はまた戻りたいと思える場所
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SENDAI INC.:学生に向けてメッセージをお願いいたします。
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林さん:群馬出身で学生時代の6年間だけ仙台にいたのですが、また戻りたいと思える人柄や風土が仙台にはあります。
また、学生にこういうチャンスを与えてくれる、チャレンジしたい人に適した環境が整っている場所だと思っています。
私自身も今は都内に住んでいますが、また仙台に戻りたいと思っています。
DA-TE APPs!のメンターとして、学生が卒業して仙台を離れたとしても、私と同じように戻ってきたいと思ってもらえるよう、がんばっていきたいです。
IT部門優勝者は……?
優勝したのは一人飲み飲食店検索アプリ「フラッと」井上 大誠さん。
井上さんは、一人でこのサービスを開発しました。「自分のやりたいこと+コロナ禍」という、自分の欲求と社会の課題をうまく取り入れたアプリです。
すでに似ているようなサービスがあるのですが、ビジネスの発展を促す違いを見せたところが優勝の決め手となりました。
優勝者にインタビュー
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SENDAI INC.:優勝した感想を教えてください。
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井上さん:メンターの方々に何度も意見をいただき、本当に発表までたどり着くのか不安になり、心が折れそうになった時もありました。それでも諦めず走り抜いた結果、このような賞をいただくことができて嬉しいです。
自分のアプリで生活が豊かになってもらえるようがんばりたいです。
グローバルラボ仙台コンソーシアム(GLS)とは?
グローバルラボ仙台は、仙台から世界に通用する人材を育成するための産学官コンソーシアム。今回は学生の育成やコンテストの運営に尽力した事務局の佐藤 隆嘉さんにお話をお伺いいたしました。
注目点は「価値が生まれる」サービス開発
近年は学生の技術が向上、しかし課題も……
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SENDAI INC.:この7年間で、参加される学生さんに変化や違いはありますか?
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佐藤さん:プログラミングができる学生が増えました。独学で勉強をしたり、IT企業でアルバイトをしたり、技術力は高まっているようです。
それは、自分の将来をしっかり考え、将来につながる行動をとる学生が増えた結果です。
ただ、ビジネスやサービスを考えられる学生はまだまだ少ない印象です。
いつもと違う世界に飛び込むことが開発のヒントに
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SENDAI INC.:GLSに参加している学生をはじめ、ITに関心がある学生に対して期待することは何でしょうか。
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佐藤さん:ビジネスやサービスを考えられるようになってほしいです。
いつもと違う場所に行ってみたり、人に会ってみたりすることで体験できることが増え、世界は広がっていきます。
そうすることで課題が見えてきて、もっと世の中を良くするためのサービスを生み出すことができると思います。
地元で輝ける人材を育成したい
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SENDAI INC.:GLSの今後の取組や展望について教えてください。
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佐藤さん:これからも学校では学ぶことのできない価値や機会を与えていきたいです。
そして、DA-TE APPs!から継続的に新しいビジネスや学生起業家を誕生させていきたいと思います。
たとえ起業をせずに首都圏や海外へ就職したとしても、GLSで学んだことを生かして輝いてほしいです。
そして、東北や仙台に戻り、地元に貢献してくれたら嬉しいです。
年々、参加者が増え、グレードアップしているDA-TE APPs!。今後もここから新しいビジネスが生まれ、学生起業家が誕生していきそうですね。
Photo:SENDAI INC.
Words:笠松宏子