05/27FRI
MEET UP
DX推進企業×学生で
新しい価値を生み出す。
新しいアイディアの
かけらが飛び出した、
「トークセッション&
アイディアソン in SENDAI」
の現場をレポート!
「DX推進企業×学生で新しい価値を創出!トークセッション&アイディアソン in SENDAI」と題し、SENDAI INC.が初めて学生向けオンラインイベントを開催しました。IT業界との接点が少ない学生に向け、業界の軸となるべく活躍する企業から生の声を聞く機会となりました。
IT業界についての知識のみならず、ITを活用することでの理解と学びまで得ることができた今回。二部構成で行われた当日の様子をレポートします。
■登壇者
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原 亮さん(ファシリテーター):エイチタス株式会社代表
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本田 裕二さん:株式会社ミューシグナル代表取締役
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渋谷 義博さん:トライポッドワークス株式会社執行役員、技術本部イメージソリューション部部長
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小野 明彦さん:インクレイブ株式会社執行役員、事業戦略室事業統括リーダー
今回ファシリテーターを務めるのは、エイチタス株式会社の原 亮さん。
地域の課題解決から企業の商品開発まで、アイディア創発を通じたきっかけづくりを数多くサポートしてきました。加えて、仙台市とフィンランド・オウル市との産業振興協定に基づき、仙台・東北から世界に通ずるビジネスや人材を生み出すための産学官連携コンソーシアム「グローバルラボ仙台」の代表幹事を務め、地域のIT産業振興・人材育成にも長年貢献しています。
今回は、「企業が生産性向上や業務改善等によってさらなる革新的事業やポジティブな変化を生み出すために、デジタルの力を活用していくべき」という共通認識を踏まえ、企業をバックアップする視点から仙台におけるIT業界の現状と課題解決について統括する役割を担います。
まず始めに行われたのは各社からのプレゼンテーション。
オンラインでの開催とあり、各社代表の3人はカメラの向こう側にいる参加者に向けて自社の事業内容を説明します。
トライポッドワークス株式会社の渋谷 義博さん、
インクレイブ株式会社の小野 明彦さん
「ITやDXを活用している」という共通項がありながら、それぞれに異なる分野で先頭を走る3つの企業。冒頭から「仙台にこんな会社があったとは」という新たな発見がありました。
株式会社ミューシグナルは、高品質な「音」の仕掛けを施した製品「シズルパネル」で、消費者を飲食店へ誘致するための広告事業。
トライポッドワークス株式会社は、土木・建設業における現場管理や作業記録、プロモーションを「映像」で叶える事業。
そして、インクレイブ株式会社は独自製品「ホームページ構築サービス ivalue(アイバリュー)」をOEM(Original EquipmentManufacturing)として企業が事業化できる仕組みを解説。
コロナ禍においても業績を落とすことなく、新たなクライアントの獲得があることなども報告しました。しかしそうした現状と並行して見えてくるのは、3社がそれぞれに直面している課題です。
コロナ禍でも懸命に踏ん張る飲食業界や、人手不足や働き方改革に悩む土木・建設業界。そして、IT化が進む時代の変化に対応しきれていない企業に対してどんなアプローチができるのか。
3者の言葉からは自社のみならず、クライアントが抱える様々な問題があぶり出されていきます。それが、今回のイベントの大きなテーマ。学生が考え出す新しいアイディアと合わせて、そうした問題に解決の糸口を探します。
第二部のアイディアソンに向けて、各社から提案されたのは以下の課題です。
・株式会社ミューシグナル
…「シズルパネル」の導入事例を自社サイトで閲覧してもらうためのヒントを考えてほしい。そこからさらに契約・購入にまで至るようにするには、どんな仕掛けが必要か。
・トライポッドワークス株式会社
…土木・建設業会の労働力不足、ノウハウの伝承方法、働き方の変革が課題。それらの問題に対して、映像やICTの力を使うことでどんな改善ができるか。
・インクレイブ株式会社
…時代の変化によって従来の主力事業が低迷している企業が、ITを活用して新しい商材・事業を生み出すためにはどんなことが必要か。
この課題を踏まえ、第二部では学生とともに議論を深めます。
第二部のアイディアソンには、登壇企業の社員たちと学生が参加。
第一部の登壇者に加え、宮城学院女子大学から内藤さんと法㚑崎さん、宮城大学から齋藤さん、東北大学大学院から片山さんの4名が参加。さらにトライポッドワークス株式会社の島田さん、インクレイブ株式会社の荒井さん・中川さんも加わり、それぞれに自己紹介を交わします。
大学で学ぶ分野も、もちろんバックボーンも異なる若い学生からどんな意見を聞くことができるのか。会場の高揚感も高まります。
第二部冒頭で原さんから投げかけられたのは、アイディアソンの時間をより有意義にするための4つのポイント。「完成されたアイディアよりも、思いついた考えをパッと出していきしょう!」と語りつつ伝えられたのは、
・判断は先に延ばす
(このアイディアは本当に実現できるのか?などは考えなくてもよい)
・未成熟な案でも大丈夫
(単なる思い付きでも、もやもやしたままの考えでもよし。あとから考えることで意味が加わる)
・数をたくさん出した者勝ち
(アイディアの質より量が大切)
・どこかで聞いたことのあるアイディアも自分のものに
(他人のアイディアと似ているものでも、あとからどうアレンジするのかが大切)
というもの。その言葉を受け、会場内もリラックスムードに変化。モニターに映る学生の表情も少々緩んだように感じました。
そしていよいよアイディアソンに突入。
第一部で提案された各企業の議題に対して、4名の学生はそれぞれにアイディアを発表していきます。
多く聞かれたのは、SNSの活用やここ数年流行しているASMR(人の聴覚を刺激するような音を収録した動画のこと)を交えることで課題解決のフックにならないか、というアイディア。常に新しいテクノロジーが身近にあり、流行の変化に敏感な世代だからこそ生まれた意見が多く飛び交いました。
ほかにも、トライポッドワークス株式会社に向けて出されたのは、「ノウハウ伝承のマニュアルを映像化してみる(片山さん)」「ドローンを使った作業ができれば工事現場の効率化が図れる。また、作業者の手元を映すカメラがあれば、作業内容を映像化できる(内藤さん)」といった回答。
現在すでに実装化されているアイディアもありましたが、既に形になっている方法を見出した学生たちの鋭い洞察力に、原さんも拍手を送ります。
課題を投げかけた各企業も、学生たちのアイディアを高く評価した様子。
株式会社ミューシグナルの本田さんは「若いエッセンスがある意見がとても参考になった。今回出されたアイディアをすべて試してみるつもりです」と笑顔で語り、第二部から参加したトライポッドワークス株式会社の島田さん、インクレイブ株式会社の中川さんはどちらも「これまで気付くことがなかったアプローチが聞けて刺激になった」と口を揃えて語ります。
学生からは「知らないことだらけのIT業界に、こんなにおもしろい取組みをする企業がいることを知れてよかった」「みんなのアイディアを聞いていると、“こんなこともできるかも”と新しいアイディアが浮かんできた」「IT業界の魅力的な話を聞けただけでも満足」という感想が。
1時間という短い時間ながら、程よい緊張感と建設的な言葉を交わすクリエイティブな雰囲気の中でIT業界の新しい側面に触れることができたようです。
最後に、各社の代表に今回のイベントを振り返った感想を伺いました。
・ミューシグナル株式会社 本田さん
「学生の皆さんは本当に優秀だなと感じました。ぜひそのまま成長してもらえたらと思いますが、これからIT業界を目指す皆さんには、生産性を上げるDXの手法をうまく活用しながら仙台・宮城の持つ課題の解決を目指してほしいと思います。」
・トライポッドワークス株式会社 渋谷さん
「一つの知識だけでは出せない筋の良いアイディアがたくさん出てきて、学生の皆さんは普段からいろんな情報を収集しているんだなと感心しました。我々も日頃からさまざまな業界に目を向け、そこにある課題を解決するためのサービスを提供したいと考えています。ぜひこれからも広い視野を持って取り組んでほしいですね。」
・インクレイブ株式会社 小野さん
「IT業界のことをよく知らない方もたくさんのアイディアを出してくださり、皆さん本当に素晴らしかったです。仙台・宮城には、まだDXを実践できていない企業が多くあります。DXは課題解決や目的達成のための手段でしかありませんが、効率的・長期的な経営のヒントになります。未来を担う皆さんと一緒に、あらゆる分野にある課題をITの力で解決していけたらうれしいです。」
※撮影時はマスクを外していただきました。
PROFILE
IT技術を活かした独自開発によるプロダクト&サービスの提供を通じて、お客様と地域社会への貢献はもちろん、関わる方々の新しい幸せや喜びの創造を目指す、ITプロダクト企業。ホームページ制作やWebシステム開発等の受託開発のほか、郵便番号住所変換システム「ZIPSERVER」やクラウド型地図表示サービス「xmaps」等のITプロダクト開発の2つの事業を展開。
“共創”を通じたソーシャル・イノベーション創出支援を展開。商品・サービス・ビジネスモデル創造コンサルや人材育成、ワークショップ・アイディアソンの運営・開催などを通じて、異分野・地域間連携の場づくりを多く手掛ける。
自動車関連分野におけるIoTサービスの開発をはじめ、企業向け業務効率化アプリケーションの開発・販売、さらには映像を強みとした解析技術の開発、クラウドサービス・プロモーションの提供など、あらゆるサービス・プロダクトの開発・提供を通じて、クライアントのDXを加速させ、ビジネスを成功に導くことを目指す。
「技術を音で社会を変える」をコンセプトに、ワイヤレスピンマイク付きのネットワークスピーカーシステム「リラバス」や、「おいしい音」により集客効果を生み出す店頭広告パネル「SIZZLE PANEL」など自社製品の開発・販売を行う。