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PEOPLE
大手企業の
UIJターン経験者が語る、
仙台でのリアルキャリア&ライフ
仙台には、地元中小企業だけでなく大手企業の拠点も多く、就職の選択肢も多様です。なかには、「仙台の支社で東京の仕事をする」という企業も少なくありません。
楽天グループ株式会社の齋藤一成さんと、株式会社シーエー・アドバンスの助広愛美さんも、仙台に勤務しながらエリアにとらわれない仕事をするITワーカー。お二人とも、東京での社会人経験を経て、今は地元・仙台に戻り第一線で活躍しています。
今回は、お二人を泉ヶ岳のアウトドアリゾート施設「IZUMI PEAK BASE」に招き、Uターンした理由や仙台でのキャリアアップ、現在の暮らしなどについて伺いました。
「IZUMI PEAK BASE」は、広大な敷地を有するキャンプ場。Wi-Fi環境が整ったコテージもあり、ワーケーションにも利用できます。
東京に行ったきっかけ
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SENDAI INC.:齋藤さんはずっと仙台で仕事をしてたんですよね。なぜ東京へ?
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齋藤さん:まず、新卒で入社したのが東京に本社がある企業の仙台支社で、2社目は仙台のベンチャー企業。どちらもシステムエンジニアとして採用されました。
ベンチャーの会社ではウェブアプリケーションの開発をしていて、その経験を生かせる楽天に転職したんです。
入社後の勤務は仙台支社でしたが、携わっていたサービスが手を離れたタイミングで、上司が「本社に来ない?」と声を掛けてくれて。東京での仕事に興味があったこともあり、挑戦してみようと思ったのがきっかけです。 -
SENDAI INC.:もともと東京で働いてみたいと思っていたのですか。
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齋藤さん:そうですね。視野を広げるためにも、以前から東京に行ってみたいという気持ちもあったので、妻と当時2歳の娘の3人で上京しました。
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SENDAI INC.:助広さんは、新卒で東京の企業に就職されたのですよね。
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助広さん:私は大学まで宮城にいたのですが、ずっと東京に対してきらびやかなイメージを持っていて、憧れが強かったんです。
進学で上京した友人もいたので、大学時代はよく遊びに行っていて、就職は東京しか考えていませんでした。 -
SENDAI INC.:どんな企業を希望していたのですか。
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助広さん:広告の仕事がしたくて、都内の広告代理店に絞っていました。
とにかく東京への憧れがすごくて、宮城の企業はまったく探さず、東京で友人と2ヶ月くらいルームシェアをしながら就職活動をしたんです。
無事、広告代理店に就職できて、コンサルタント業務を担当していました。
仙台に戻ろう!そう決意した理由
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SENDAI INC.:齋藤さんは本社で新しい挑戦、助広さんは念願だった東京での就職。どちらも華やかな印象ですが、仙台に戻ったきっかけは?
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齋藤さん:東京に行って1年くらい経った頃、コロナ禍で仕事がほぼリモートワークになったんです。
東京で借りていた家は狭いし、娘もまだ幼稚園に入っていなかったので在宅ワークができる環境ではなく大変でした。たまに駐車場に停めた車の中で作業をする事もありました。
そんな状況なので家族みんながストレスを感じていて。今は、よくあの環境で仕事してたな、と思います(笑)。 -
SENDAI INC.:リモートなら、仙台を拠点にしても変わらないかなと?
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齋藤さん:本社で仕事をする一番のメリットが、社員と近い距離感で働けることだったんです。
会社の中にはカフェテリアがあったりジムがあったり、仕事だけでなく仲間と生活ができるところも良かったのですが、コロナ禍で会社に行けなくなったのは辛かったです。 -
SENDAI INC.:仙台に戻っても仕事に支障はなかったのですか。
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齋藤さん:もともと拠点関係なくできる仕事でしたし、仙台支社でも全国のメンバーとチームを組んで仕事をしていたので、支障はありませんでした。
なにより、家庭と生活が安定していないと仕事に集中できないと思い、会社に相談して仙台に戻る決断をしたんです。東京にいたのは2年弱ですね。 -
SENDAI INC.:助広さんは、就職後どれくらいで仙台に?
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助広さん:就職して8ヶ月して仙台に戻りました。一番の理由は、地元を離れてみて仙台の魅力に気づいたことですね。
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SENDAI INC.:特にどんなところで仙台の魅力に気づいたのですか?
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助広さん:住んでいた場所が東京の中でもより都心部だったので、休日だからと遊びに出かけても、行く先々、どこもかしこも人混みで、休まった気がしなかったんです。
車もなく電車移動だったので、行ける場所は人が集まるところばかりで。仙台の方が自分に合った生活ができそうだなと感じました。 -
SENDAI INC.:東京は家賃も高いですよね。生活面はどうでしたか。
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助広さん:当時住んでいたところがワンルームで10数万円。新卒の給料ではギリギリでした。
宮城にいる家族ともすぐに会えないですし、憧れから現実を見て、そのギャップにやられてしまったんですね。 -
SENDAI INC.:仕事自体は楽しかったですか。
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助広さん:はい。なので、転職活動をしていたときもまた広告の仕事がしたいと思っていました。
東京で暮らしながら仙台の転職活動をして、次の仕事が決まってから戻ったんです。
居心地のいい環境で好きな仕事をする
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SENDAI INC.:仙台での暮らしはいかがですか。
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齋藤さん:落ち着いた生活ができています。東京と同じくらいの家賃ですが、今はメゾネットで暮らしていて、2階の一室を仕事部屋にしています。今は週4日ほど出社していますが、在宅ワークのときも部屋を分けているので、家族みんなストレスもなく。
東京にいたときは、頼れる親が近くにいないことも大きかったんです。今は、何かあったら親に子どもをお願いできますし、今年2月に第二子も生まれて、ますます戻ってよかったと感じています。
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SENDAI INC.:家族全員にとっていい選択だったのですね。
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齋藤さん:東京にいたときはコロナ禍もあって、子どもを遊びに連れて行くことが難しかったんです。
でも今は、家のそばに公園があって動物園もわりと近い。この間はベニーランドで友人家族と芋煮会もしました。
職場も自転車で通勤できる距離ですし、電車でも東京ほどの満員電車にならないのがいい! -
助広さん:わかります!私も満員電車は本当に辛かったです。
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SENDAI INC.:助広さんも、仙台での生活を楽しんでいますか。
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助広さん:家族が近くにいる環境は安心ですね。それに、仙台は少し車を走らせれば自然あふれた場所があって、私には仙台が合っていると思いました。
生まれてから大人になるまで過ごした地元、知っている土地は、生活がしやすいですね。
仙台は、遊ぶ場所もあって、必要なものは全て揃っていて、都会と田舎のバランスがちょうどいいんです。 -
SENDAI INC.:休日はアウトドア派ですか。
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助広さん:前はインドア派だったのですが、コロナの反動からか、最近は出掛けることが増えましたね。最近ハマっているのはサウナ。職場にサウナ仲間がいるので、一緒に楽しんでいます。
先ほど、「IZUMI PEAK BASE」の敷地内にあるテントサウナを少し体験させてもらったのですが、自然の中で外気浴ができるなんて最高です!
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SENDAI INC.:齋藤さんは休日をどう過ごしていますか。
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齋藤さん:アウトドアも好きですし、市政だよりをチェックして、子どもとよくイベントに参加しています。
冬はスノーボードをやっていて、昨年は子どもを連れて泉ヶ岳にも来ました。気軽にウインタースポーツを楽しめるのも仙台の魅力の一つ。この環境を満喫しています。
仙台で描くキャリアデザイン
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SENDAI INC.:助広さんは、今どのような仕事をしているのですか。
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助広さん:マネジメント業務です。10人くらいいるチームの戦略を考えたり、管理したりする仕事です。
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SENDAI INC.:入社4年目ですよね。入った当時はどのような仕事をしていたのですか。
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助広さん:初めはプレイヤーとして入社したので、広告をアップする設定作業や、効果分析をするための資料作成などをしていました。
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SENDAI INC.:そこからもうマネージャーとは。年齢に関係なくキャリアアップできる職場なのですね。
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助広さん:そうですね。今、一番若いマネージャーが27歳。社歴や年齢は関係なく評価してもらえるので、頑張り甲斐がある反面、頑張らないと大変かもしれません。
私の場合は、入社した当時からマネジメント職に興味があることを会社に伝えていました。前向きにチャレンジさせてもらえる環境がありがたいですね。
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SENDAI INC.:給与面も、東京と仙台で変わりませんか。
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齋藤さん:はい。楽天の場合、地域関係なく評価はみんな平等です。自分は今、楽天市場のバックエンドエンジニアをしているのですが、仕事内容に拠点の場所は関係ないんです。
そうなると、東京に比べて生活費を抑えられる仙台の方がお得ですよね。 -
助広さん:私の場合、東京の代理店時代と比べて、給料の違いを感じていましたね。東京の方が高いという印象でした。
ただ、今の会社は条件を満たせば家賃補助を受けられますし、キャリアアップして給料も上がっているので、そんなに格差は感じていません。 -
SENDAI INC.:シーエー・アドバンスさんは東京にもグループ会社がありますが、東京と仙台でキャリアイメージに違いはありますか。
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助広さん:東京と仙台では業務の役割が違うのですが、キャリアイメージは変わらないと感じています。例えば、プレイヤーに特化して一流を目指すパターンもありますし、マネジメントに進むパターンも。そこには、東京だから、仙台だから、という違いはないですね。
私も齋藤さんと同じで、東京のメンバーと一緒にミーティングをする機会も多いですし、東京の仕事を拠点関係なくみんなで一緒に進めています。
多くの人に知ってほしい!
仙台にキャリアアップできる場所があること
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齋藤さん:楽天の開発拠点が仙台にあるって、多くの人が知らないと思うんです。東京は東京の仕事、仙台は仙台の仕事というイメージがありますよね。学生のときは特に、仙台で東京の仕事をしているなんて思わないだろうなと。
でも、それを知っていると就職の選択肢が広がると思うんです。 -
助広さん:私自身、学生時代は広告代理店が仙台にあると知らなくて、代理店で働くなら東京に行くしかないと思っていました。
もちろん、東京に比べて企業の数は少ないのですが、仕事もプライベートも両方充実させられるのは、仙台だからこそだと実感しています。
「自分が好きな地域に住みながら、好きな仕事をする」。そんな理想の環境は、今の時代、決して夢の話ではありません。お二人の話から、職場で生き生きと働く様子が伝わってきました。
また、お二人に共通していたのがプライベートを楽しんでいること。仙台にはレジャー施設も多く、それがオンとオフの切り替えにつながっているのかもしれません。
お二人がIZUMI PEAK BASEを楽しんでいる様子は、仙台・宮城の地域コミュニティサイト「せんだいタウン情報machico」に掲載されています。併せてご覧ください。
PROFILE
助広愛美(すけひろ・まなみ)
2018年11月、インターネット広告事業を手掛ける株式会社シーエー・アドバンスに入社。仙台支社は広告運用のオペレーションやクリエイティブ業務などを担っており、オペレーション業務を経て、現在は販促事業部のマネージャーとして、チームを管理・統括や、採用にも携わっている。
齋藤一成(さいとう・かずなり)
Eコマースのパイオニアである楽天グループ株式会社のコマースカンパニービジネスサポート開発部に所属。2009年に入社し、2019年に東京本社に異動。翌年11月仙台支社へ戻り、現在はアプリケーションエンジニア兼 ヴァイスマネージャーとして、楽天市場に関わるシステムの開発、運用、チームの統括・確認なども行う。
IZUMI PEAK BASE
Photo:寺尾佳修
Words: 関東博子
※撮影時はマスクを外していただきました。