02/26WED

PEOPLE

とりさんに聞く、
「仙台・宮城の
ちょうど良さ」

SNS総フォロワー11万人を超えるインフルエンサーとしてSNSやブログを通じて仙台のお出かけ情報を発信しつつ、利府町の地域おこし協力隊としても活躍する平嶋愛さん(通称:とりさん)。食べることやお出かけ、写真を撮ることが大好きな平嶋さんの投稿は、仙台愛が溢れ、思わず「いいね」を押したくなる魅力でいっぱいです。

 
就職を機に、新潟県から宮城県へJターン(地方出身者が一度都会で就職し、別な地方に移住・転職すること)した経験を持つ平嶋さんは、現在、さまざまな形で仙台・宮城の魅力を全国に届けています。エンジニアからインフルエンサー、そして地域おこし協力隊とユニークなキャリアを歩む平嶋さんに、「仙台・宮城のちょうど良さ」についてお話を伺いました。

 
tsumiki内でインタビューを受けている様子

東京への憧れから一転、東北配属で「ほっ」

  • SENDAI INC.:エンジニアからインフルエンサー、そして地域おこし協力隊と、多彩なキャリアをお持ちですよね。

  • 平嶋さん:ありがとうございます。私は大学まで新潟で過ごし、都会への憧れを胸に東京のIT企業に就職しました。ですが、入社後の3ヶ月間の研修期間で東京生活の現実を知り、「ここで暮らし続けるのはつらい」と感じるようになりました。

  • SENDAI INC.:どんなところが大変だったんですか?

  • 平嶋さん:とくに通勤が大変でした。毎朝ぎゅうぎゅうの満員電車に揺られて、乗り換えも2回くらいあって。片道1時間以上かかる通勤時間は体力的にも精神的にも負担が大きく、毎朝早起きして夜遅くに帰る生活が続いて体調も崩しがちでした。

  • SENDAI INC.:研修後は東北支社に配属されたと伺いましたが、そのときの心境は?

  • 平嶋さん:希望勤務地の第1希望を東京、第2希望を東北にしていたんですが、配属が東北に決まったときは正直ほっとしました。新潟から近いですし、以前仙台を訪れた際にも、若者やおしゃれなお店が多く活気ある雰囲気に、好印象を持ちましたから。

  • SENDAI INC.:仙台支社には5年間勤務されたそうですね。それ以前と比べて、暮らしにどんな変化がありましたか。

  • 平嶋さん:やはり、大きな変化は通勤時間です。徒歩10分ほどで職場に着けるようになり、余裕が生まれました。当初は遊びやのんびりするのに時間を使っていましたが、勉強熱心な同僚に感化されてスキルアップに目を向けるようになり、資格取得のための勉強や勉強会への参加などに力を入れるようになりました。

アンテナを張り、積極的に動けば場所は関係ない

インタビュアーと向き合って取材を受けている様子

  • SENDAI INC.:地方での勉強やスキルアップの機会については、首都圏と比べてみて実際にはどうでしょうか?

  • 平嶋さん:東北支社では東京の案件を多く担当していて、スキル面での差を感じることはありませんでした。また、オンライン対応のセミナーも多いですし、エンジニア向けのプラットフォーム「connpass」を活用すれば、勉強会やコミュニティにも参加できます。結局は、自分がどれだけ積極的に動くかだと思います。

  • SENDAI INC.:そんななかで、インフルエンサー活動を始めるきっかけは何だったんですか?

  • 平嶋さん:会社員2年目の頃、「FIRE(Financial Independence, Retire Earlyの略、早期リタイアの意)」という言葉が流行していて、興味を持ったのがきっかけです。早いうちに資産を増やして自由な働き方を目指したくて、投資を始めました。でも、お給料だけでは資金が足りず、副業で少しでも稼げないかと考えました。

  • SENDAI INC.:最初の副業は何をされたんですか?

  • 平嶋さん:YouTubeを見て「初心者にはブログがおすすめ」と知り、雑記ブログを始めました。ただ、成果が出るまで時間がかかり、悩んでいたところでInstagramの副業が流行っていると聞き、挑戦してみたんです。「継続するためには好きなことじゃなきゃ」と考え、ジャンルはグルメとお出かけに絞ったところ、少しずつアカウントが育っていって。次第に本業よりもインフルエンサー活動の方が楽しくなり、独立を決意しました。

 
平嶋愛さんの真横の姿

  • SENDAI INC.:退職後も宮城に拠点を置き、インフルエンサー活動を続けていますね。平嶋さんの投稿には、仙台や宮城への深い愛情が感じられます。その原点はどこにあるのでしょうか?

  • 平嶋さん:インスタで情報発信を続けるなかで、たくさんの自治体や飲食店、施設、企業の方々と知り合うことができました。退職後もそのつながりを活かして、宮城のみなさんと一緒に何かを生み出していきたいと思ったんです。
    また、宮城にはおいしいものや美しい場所がたくさんありますが、まだ全国的には十分知られていないように感じます。その魅力をもっと発信したいという気持ちが強くありますね。

こんなところがちょうどいい!暮らしやすく、食のレベルが高い

笑っている平嶋愛さん

  • SENDAI INC.:仙台はよく「ちょうどいい街」と言われますが、平嶋さんはどのあたりにそのちょうどよさを感じますか?

  • 平嶋さん:やっぱり、都会と自然のバランスがいいところですね。仕事は中心部でしっかりできる一方、少し車を走らせればすぐに自然に触れることができます。また、東京のような大都市と比べると、生活費が抑えられます。仙台では、少し中心部を離れれば一軒家を建てることも現実的ですし、暮らしやすさの面でもちょうどいいと感じますね。

  • SENDAI INC.:平嶋さんはグルメやお出かけ情報を発信されていますよね。その切り口では、どんな良さがあると思いますか。

  • 平嶋さん:仙台には、食材にこだわったお店が多いのが魅力だと感じます。都会だとものやお店の数は多いですが、混雑していたり、クオリティにばらつきがあったりします。仙台では、地元の食材を使った料理や個人経営のお店が多く、おいしいものに出会える確率が高いです。地方ならではのこだわりが、他にはない魅力につながっているんじゃないかと思います。

自由度が高く、挑戦意欲を持つ人にぴったりの環境

平嶋愛さんの手元

  • SENDAI INC.:SENDAI INC.はUIJターンを検討している方にも多く読まれています。仙台で働くことのちょうどよさは、どんなところにあると思いますか?

  • 平嶋さん:仙台は自分でアンテナを張って「こうしたい」と思えば、いろいろなことが実現できる環境だと思います。一方で、地方は東京などの大都市に比べて強制される場面が少なく、自由度が高いです。そのため、周りからの刺激や環境に頼らないと動けない人には少し難しいかもしれません。
    地方で働くうえでは「自走するスキル」が大切で、そのスキルが身についている人や、自分で物事を作り上げていける人にとっては、とても合う場所だと感じます。自由に挑戦できるという点で、仙台は魅力的だと思いますね。

インフルエンサー経験を活かし、地域おこし協力隊に

tsumikiの施設内にあるtsumikiのロゴ

  • SENDAI INC.:2024年からは利府町に移住し、地域おこし協力隊としても活動されていますね。

  • 平嶋さん:実は、フリーランスとして独立するタイミングで地域おこし協力隊に応募しました。利府町の協力隊には、自分で事業を起こすことを目指す人が多く集まっています。平均年齢も若く、皆さんチャレンジ精神が旺盛で、一緒に活動するなかで大いに刺激を受けています。さらに、活動内容が自治体内だけで完結せず、外部のまちづくり系の企業と連携しながら進められる仕組みも魅力でした。このような環境が後押しとなり、フリーランスとしてやっていこうと決意できました。

  • SENDAI INC.:現在はどのようなお仕事をされているんですか。

  • 平嶋さん:地域おこし協力隊として、利府町のシティプロモーションを担当しています。利府町では「よく眠れる町構想」を掲げていて、その広報活動やイベントの企画に携わっています。例えば昨年は「水曜どうでしょう」の藤村ディレクターをこのtsumikiにお招きして、利府町長とトークセッションをしてもらいました。

  • SENDAI INC.:インフルエンサーとして培った経験を活かしつつ、着実にキャリアを積んでいかれていますね。今後の目標は?

  • 平嶋さん:ウェブ関連の仕事にもっと注力していきたいと思っています。SNSだけでなく、飲食店や自治体のウェブサイトや検索エンジンの最適化なども提案し、全体を通じて効果的なプロモーションを実現したいです。何か課題があった場合、スポットで対応しても効果が見づらくなってしまいますよね。そこをトータルで提案できるような、マーケター的な立ち位置の人になりたいです。

クリエイティブな仕事がしたいなら、新しい場所に住むのが近道

横側から見た平嶋愛さんがインタビューを受けている様子、

  • SENDAI INC.:最後に、UIJターンを検討されている人へメッセージをお願いします。

  • 平嶋さん:新しい場所に住むことで、今まで見えなかった可能性に気づけることがあります。クリエイティブな仕事や企画に興味がある方には、いろいろな地域を経験することをおすすめします。仙台や宮城も、新しい発見がある素敵な場所ですので、ぜひ一度訪れてみてください!

 
自分の力で道を切り開く「自走するスキル」を持つ人にとって、仙台はその可能性を最大限に引き出せるポテンシャルあふれる街です。

 
試行錯誤を繰り返しながらも、自分のやりたいこと、目標に向かって着実にステップアップし続けている平嶋さんの姿がとてもまぶしく見えました。

 
都会でくすぶっている人、何か新しいことをしてみたい人は、ぜひ仙台で新しい挑戦を始めてみては。

PROFILE

平嶋 愛(ひらじま・あい)

新潟県出身、Instagramフォロワー数9.8万人越え(R7.2月現在)、SNS総フォロワー11万人超のインフルエンサー。Instagram、TikTok、個人ブログを通して、グルメ&おでかけ情報を発信している。 大学卒業後はIT企業のセキュリティエンジニアとして就職。副業インフルエンサーを経て、2024年にフリーランスとして独立。現在は自身のインフルエンサー活動に加え、東北各地の事業者・自治体向けのSNSセミナー講師、利府町の地域おこし協力隊としての活動、宮城発のベンチャー企業 マチオコシ株式会社でクリエイティブディレクターとして宮城県内の企業のSNS運用に携わっている。◼︎Instagram(とり【仙台宮城グルメ/観光/カフェ】@SENDAI.NO.TORISAN)◼︎TikTok(とり🐥宮城仙台のグルメ•お出かけ観光@tori_sendai)◼︎ブログ(仙台とりまっぷ。)

tsumiki

Photo:SENDAI INC.編集部
Words:岩崎尚美