04/15MON

PEOPLE

仙台にいるからこそ
「面白いこと」の
発信方法は無限にある。
ITの可能性を探る挑戦者

仙台にあるIT企業のイケてる社員&オフィスをチェックする本企画「伊達社員を探せ!」。

Vol.4となる今回の伊達社員は、企画設計からシステム開発、デザイン、ライティング、カスタマーサービスまで、すべてを自社発のサービスで行う、株式会社シムネットのUXデザイン事業部マネージャー・佐藤 稔(さとう・みのる)さん。

株式会社シムネットのエントランスに立つ佐藤稔さん

シムネット初のデザイナー採用で入社し、今年で5年目。マネージャーとしてのマネジメント業務も担う佐藤さんに、仙台で働くことになった経緯や、この会社ならではのワークスタイルについてお話を聞いてみました。

「できない……けど、できます!」。
グラフィックからWebデザインの道へ

〈佐藤さんは山形県出身の東北育ちで、仙台の大学を卒業後、東京でグラフィックデザイナーのお仕事をしていたそうですね。デザインを仕事にしようと思ったきっかけは何ですか?〉
実は、大学では建築を学んでいたんです。学ぶうちにデザインの方にも興味が沸いていって。広告の表現っておもしろいなと思い、デザインの道に進みました

佐藤稔さん

〈仙台ではなく、東京で就職を?〉
ええ。その頃、僕のやりたいデザインが仙台にはなくて。若い頃って、派手なことをしてみたくなるじゃないですか(笑)。

東京での仕事は、はじめは地味なものばかりでしたが、徐々に大きな仕事にも関われるようになりました。当時は珍しく、広告代理店を通さずにクライアントと直接やりとりができたことも良い経験でしたね。

〈その後、グラフィックデザイナーからWebデザイナーに?〉
当時、「デザイナー」の線引きってあいまいだったんです。「グラフィックもWebも、デザイナーはどっちもできるよね?」という考えの方が多くて。

クライアントから「HPをつくりたい」とお願いされたら、「はい!やります!」としか言えず。会社に帰って「どうしよう……」なんて言いながら、いろいろ調べたりして(笑)。

でも実際にWebデザインをやってみると、システム会社とも繋がりができるし、大きな案件にも携われるようになれました。

ペンタブレット
グラフィックデザイナー時代からペンタブレットを愛用。「ブラウザを見る時も、マウスよりペンタブを使います」(佐藤さん)

仙台は、おもしろいことを発信するチャンスに溢れている!

〈Webデザイナーとしてのスキルも上がり、指名でのお仕事も増える中、仙台にUターンされたんですよね。なぜ仙台に?〉
私は田舎出身なので、東京で生活をしているとどうしても緑が足りないというか……。だんだん息苦しくなってきたんです。あと、子どもを育てるなら東北だな、と感じたことが理由ですね。

PCと向き合う佐藤稔さん

その頃ちょうど東日本大震災があったので、被災地である仙台で生活をしたら消費を通して地域に貢献できるんじゃないか、と思ったことも一つあります。

今まではクライアントワークがメインの会社にいたので、自社サービスを運営し「自分たちで一からモノを作る」ことにチャレンジできているシムネットでの仕事はとても刺激的です。

〈仙台を拠点するシムネットですが、仙台にあるからこそできることって何ですか?〉
まず、「仙台に何もないから東京に出て行く」のではなく、「仙台でITを使って面白いことをする」という考えが僕は好きなんです。

ITの会社といえば、首都圏にあるイメージをお持ちの人がまだまだ多いですよね。でも、ITはどんな場所にいてもできる仕事。逆を言うと、ITを使えば仙台からおもしろいものを発信できるチャンスが無限にある、ということなんです!

佐藤稔さん

ITを使うからこそ、できることが無限に広がると。そう考えるとワクワクしますね!〉
そうなんですよ。いま仙台では、ITのおもしろい学びを広めている大学などもありますからね。ITを学んでいる人たちにとって、僕らの仕事が何かの選択肢のひとつになってくれたらな、と思います

ここに来れば何かある。
“掲示板的”休憩室へのリニューアルがコミュニケーションを活性化

〈ところで、シムネットさんの休憩室って、まるでカフェのようで素敵ですね。居心地も良さそうです。〉
ありがとうございます。最近、お菓子やドリンクを購入できるコンビニのようなスペースを設置してもらったので、快適度がさらに上がりました(笑)。

お菓子やドリンクを購入できるコンビニのようなスペース

スタッフが旅行に行った時のお土産を置いてくれる場所でもあるので、それをつまみながら、みんなで談笑することも。
そういう意味では、ここは“掲示板的な場所”かもしれません。ここに来れば何かがあるという、社員同士の輪が広がる場所になっています。

シムネットさんの休憩室

〈掲示板的な場所ですか!コミュニケーションが円滑だと仕事も捗りそうですね。2年前まではもっと事務的な空間だったそうですが、何がきっかけでリニューアルを?〉
就業後には、ここで勉強会が開催されたり、お酒を楽しんだり、交流の場に。
以前は、椅子と机が並んだだけのちょっと寂しいスペースでした。でも、「簡単な打ち合わせや休憩もできるスペースが欲しいよね」という話になって。

だから用途に合わせて使い分けできるように、高さやデザインの違う椅子やテーブルを並べてみました。

休憩室の本棚
休憩室の本棚にはデザインやプログラミングについての本がずらり。

〈なるほど。そんな風に社員みんなで会社を変えていけるのは素晴らしいですね。休憩室を変えてから、社内の雰囲気にも変化はありましたか?〉
はい。以前よりも、より多くの社員がこの場所に集うようになって、社内全体の活気が上がりましたね。

例えばお昼にしても、前は各々のデスクで食べていたのですが、休憩室をリニューアルしてからはみんなで集まって食事をするようになりました。そのおかげで、部署を越えたコミュニケーションも増えたと思います。

会社の可能性を広げ、スタッフのスキルアップを目指したい

〈佐藤さんはマネージャーとして、下の世代を育てるマネジメントのお仕事も担当されていますよね。「こんなふうに部下を育てていきたい」という考えはお持ちですか?〉
いろんなバックボーンを持ったスタッフと一緒に働く中で、様々な角度から見た自社開発のWebサービスを考えています。

その多様性の軸をしっかりと定めてあげながら、少し先のビジョンを見据えて一緒に高みに登っていけたらいいなと思いますね。

シムネットの社名ロゴ

〈それでは、これからシムネットの社員として挑戦していきたいことはありますか?〉
そうですね。これまでの自分の経験から言えることでもあるのですが、今はインハウスデザイナーとして社内で仕事が完結してしまうので、「外と関わりながら何かを表現する」という視点をプラスすることで、より良くなるのではと感じています。

作業スペース

そうすることでスタッフのスキルアップにも繋がりますし、会社の可能性もより広がるのではないでしょうか。

〈佐藤さんは父親として一家の大黒柱でもありますが、個人としてはどんなことに挑戦していきたいですか?〉
そうですね。つい“大人ってなんだろう”と考えてしまいますけど、人間としても父親としてもしっかりしていきたいなとは思っています。

でも、好奇心旺盛なところは今までと変わらずにありたいですね。やれるうちにいろんなことに挑戦して、日々感度を高くして過ごしていきたいです。

さまざまなことに興味を持ち、常にアンテナを張り巡らせている佐藤さん。まさに“好奇心の塊”だからこそ、常に上を目指すデザイナーとして周りから慕われるのはもちろん、ユーザーの目線に寄り添ったWebサービスの創造にもつながっているのだと感じました。

PROFILE

佐藤 稔(さとう・みのる)

株式会社シムネット

株式会社シムネット。ペットに関するインターネットサービスの企画・設計、システム開発、デザイン、さらにライティングやSEOを含めたネットマーケティング、サーバー管理、カスタマーサポートまで、自社でWebサービスを運営。Webを通してお客様に「変化」と「感動」を与えられるサービスとコンテンツを創造していく。

株式会社シムネット

Photo:小林啓樹(OPEN TOWN)
Words:及川恵子