05/13MON

PEOPLE

グラフィックからWebデザイン
そして企業ブランディングまで。
仙台発・デザインの仕事は、
こんなにもおもしろい!

今回訪れたのは、仙台市青葉区大町と東京の2拠点で制作を行う「株式会社PILE」。オフィスを案内してくれたのは、福島県出身で入社4年目の社員の伊藤大海(いとう・ひろみ)さんです。「昨日、プチリフォームしたばかり(笑)」という、オフィスでのワークスタイルについてうかがいました!

 

伊藤大海さん

WEBにもグラフィックにも対応

<PILEさんのお仕事内容について教えてください>
広くいうと、広告制作です。ポスターやパンフレットなどのグラフィックをつくることもあれば、Webサイト制作を依頼されることもあります。最近では、アメリカの企業からもお仕事をいただきました。

実績小物類

仙台オフィスでいただいているお仕事の比率はグラフィックとWebが半々くらいですが、東京オフィスでは9割がWebです。どちらの案件にも対応できるよう、社内に技術スタッフが1人いるほか、外部パートナーの力を借りています。そのほかには企業のブランディングやCI(コーポレートアイデンティティー*1)、VI(ビジュアルアイデンティティー*2)、さらにはイベントの掲示やバナーなどを手掛けることもあります。

*1 企業の商品やサービスをロゴなどで可視化すること
*2 会社案内やパンフレットなど企業のブランドイメージを可視化すること

伊藤さんが手掛けたポスター伊藤さんが手掛けたポスター。実はこうしたビジュアルが仙台の街なかにあふれています

まさかの入社直前で内定取り消し!
専門学校時代の恩師に誘われ、PILEへ

<PILE.incさんに就職した経緯を教えてください>
僕は福島県の出身で、専門学校から仙台なんです。小さいときから絵を描くのが好きで、仙台に兄が住んでいたので、仙台の専門学校に進学することにしました。その専門学校で教えていたのが、弊社代表の佐藤亨一だったんです。

在学中から、佐藤を通じて東京の会社から就職の話をいただいて、行く気も満々だったんですけど…入社前にその会社の中堅社員がごそっと抜けてしまったそうで、「新人を取ってる場合じゃなくなった」と言われてしまって。

PCと向き合う伊藤大海さん

「それじゃ、うち来る?」と佐藤が誘ってくれたのが、PILE.incに入るきっかけでした(笑)。
今4年目ですが、もう東京に行く気は全くないですね。ローカルの仕事は面白いし、仙台でもナショナルブランドの仕事ができたり、アメリカの企業さんとの仕事ができていたりしますし。もちろん、東京に行けばプラスになることもあると思うんですけど、仙台のほうが心地いいんです。

PILE.incが手がける「Delicious」にて

アパレルの仕事があるのも、PILEならでは

弊社はもともと、デザインの専門学校に通っていた同世代5人で起業して、デザイン事務所としてはじまった会社です。

ただ、その設立者のひとりに洋服屋に勤めていたものがいて、アパレル業界とのつながりもあったんですね。若い会社なので、「じゃあ、そのままアパレルもやろうか」ということで、海外から洋服を仕入れて、「PILE CONCEPT」として販売していたそうです。

陳列している仕入れたアパレル商品

その事業がその後、「Delicious」になり、現在は一番町にショップを構えるまでになりました。Deliciousでは、ショップでオリジナルブランドの商品を販売したり、セレクトアイテムを販売しています。全国展開をするアパレルメーカーさんといろいろなコラボレーションをさせていただいたり、期間限定イベントなどをお手伝いしたりすることもあります。

カフェスペース

本当にやりたかったことができた悦び

お話している伊藤大海さん

 

<これまでに印象に残っているお仕事を教えてください>
2017年の「JOJO展」のお仕事ですね。僕、本当に『ジョジョの奇妙な冒険』が大好きで。社長にもずっとそれを言っていたら「いつか仕事とってくるよ」と言ってくれていて。それが現実になったんです。

ジョジョリオンのコミックが置いてある作業スペース

担当したのは江陽グランドホテルでのアニメの原画展だったのですが、会場の掲示やバナーを手掛けさせていただきました。そのほかにも、原作でイタリアンのシェフの“トニオ”というキャラクターがいるのですが、その原画展の中で“トニオ”のパン屋をイベント的に出店したり。

大好きな作品を作っている集英社の方と直接やり取りをするのは刺激的でしたし、キービジュアルを一番最初に見たときは、震えが止まらなかったです(笑)。

 

笑う伊藤大海さん

 

<今後の目標を教えてください>
今、後輩ができたんです。それで、彼に「こうしたらいいんじゃない?」ってアドバイスしたものを上司に見せると、「ちょっと違う」って言われちゃう。「あれ?自分、全然ディレクションできてないじゃん」って(笑)。
だから、それをしっかりディレクションできるデザイナーになるのが今の目標です。

伊達社員・伊藤さんが教えてくれたのは、テクノロジーが進化したいま、「やりたい仕事」のために「住みたい町」を諦める必要はもうないということ。デザインの力を使い、世の中に新しい価値を生む株式会社PILEの勢いは、とどまるところを知りません。今後も目が離せませんね。

プチリニューアル直後!おしゃれオフィスをレポート


時にはお昼寝で効率UP!

お昼寝している場所


「ここでは、スタッフがそれぞれ自分の好きなものを持ち込んで、ディスプレイしているんです。オフィスの中で僕が好きなのはソファー席。うちはお昼寝が許されているので、疲れたときはここで寝ます(笑)。そうすると、頭もすっきりして仕事がはかどるんです」(伊藤さん)


ブラッシュアップに役立つ大テーブル

オフィスにある大きなテーブル


「大きなデスクがオフィスの中央に配置されていて、サッとスタッフが集まってミーティングできるようになっています。社内の風通しのよさが、こういうところに現れているのかなと思います」(伊藤さん)

PROFILE

伊藤 大海(いとう・ひろみ)

PILE.inc

PILEデザインチームはクライアント様が提供する商品やサービス、そして店舗や企業イメージなど、 全てにおいてわかりやすく伝えるだけでなく、言葉にしづらい雰囲気までも伝わるモノ創りを続けていきます。

SENDAI Head Office

Photo:小林啓樹(OPEN TOWN)
Words:岡沼美樹恵