05/13MON

PEOPLE

おしゃれなカフェで
IT女子による女子会を開催!
仙台の街について、
ITの仕事について、
女性目線の本音トーク vol.3

仙台のIT企業で働く女性におしゃれなカフェで本音を聞く企画「SENDAI-COFFEE TALK」。第3弾は「Rails Girls」というイベントの運営に関わった4名の女性にお話をお伺いいたしました。

ほの香店舗外観

今回のカフェは仙台市太白区富沢にある自家焙煎珈琲工房「ほの香」さん。店内は昭和の喫茶店のような、レトロで高級感のある雰囲気。アンティークの家具や素敵なカップがゆったりとした時間を演出してくれます。

ほの香店内

コーヒーマイスターが淹れる、自家焙煎のスペシャリティコーヒーは豆本来の香りを味わうことができますよ。自家製のスコーンは国産小麦・発酵バター・生クリームなど厳選素材でつくったこだわりのスイーツで、コーヒーとの相性もぴったりです。

コーヒー

Rails Girlsとは?

プログラミング言語の一つである「Ruby」。「Ruby on Rails」は、その「Ruby」で作成されているWEBアプリケーション等を開発をするために使用するフレームワークのことです。
Rails-Girls-SENDAI-1st-logo
その「Ruby on Rails」を学ぶことで、より多くの女性がプログラミングに親しみ、アイデアを形にできる技術を身につける手助けをするコミュニティが「Rails Girls」なのです。Rails Girlsは2010年末にヘルシンキで設立され、今では日本を含め60以上の国と地域でワークショップが開催されています。

はじめてのIT勉強会photo by はじめてのIT勉強会
Rails Girls Sendai: http://railsgirls.com/sendai-2018-11-03.html

「Rails Girls」運営メンバーの一日をチェック

<ご参加いただいた方>
今野夕貴(こんの・ゆき)さん
清水未希(しみず・みき)さん/株式会社manaby
江森真由美(えもり・まゆみ)さん/株式会社ケーシーエスキャロット
海谷麻里衣(かいや・まりえ)さん/パーソルキャリア株式会社

  • SENDAI INC.:まず、普段のお仕事はソフトウェアエンジニアをしているという、今野さんの一日の様子を教えてください!

今野夕貴さんの1日のライフスケジュール

  • 今野さん:物を作るのが好きなので、工作などをして手を動かしていることが多いですね。自由時間は漫画や動画を見たりします。プログラミング自体がすごく好きなので、休みの日でもパソコンを触ることが多いです。それが楽しいんですよね。

  • SENDAI INC.:ITのお仕事は忙しいイメージがありますが、睡眠時間をしっかり取られているんですね。

  • 今野さん:睡眠は基本的に取れていますよ。寝ることが大好きなので、お布団が大好きですね!(笑)

  • SENDAI INC.:先ほど、お休みでもパソコンに向かっているということでしたが、休日の過ごし方はいかがですか?

  • 今野さん:平日より遅めに起きて、ゆっくり過ごしています。土日のどちらかは一日中家にいて、情報探しをすることが多いです。今は親と一緒に住んでいるのですが、ご飯をつくることもあります。

  • SENDAI INC.:Webサービスを開発する仕事をしている、海谷さん。子育てと仕事を両立されているんですね。

海谷麻里衣さんの1日のライフスケジュール

  • 海谷さん:そうですね。私は小学1年生になる子どもがいて、子育て中心の生活ですね。子どもが寝た後は、海外ドラマを見て一息つきます。

  • SENDAI INC.:休日の過ごし方はいかがですか?

  • 海谷さん:子どもと一緒に公園に行ったり、遠くにキャンプに行ったりして楽しんでいます。仙台には公園が多いので、とても過ごしやすくて良いところだなって思います。

  • SENDAI INC.:システムエンジニアの清水さんはお子さんが二人いるんですね。お忙しそうですが、いかがでしょうか。

清水未希さんの1日のライフスケジュール

  • 清水さん:4歳と1歳の子どもがいるのですが、小さい頃と比べてだいぶ大きくなってきて、病気にもなりにくくなったので働きやすくはなりましたね。旦那さんと分担をして子育てをしているので、仕事との両立はしやすいです。



左から清水未希さん海谷麻里衣さん

  • SENDAI INC.:休日の過ごし方はいかがですか?

  • 清水さん:家族でどこかに遊びに行くことが多いです。先日は、東松島市にあるKIBOTCHA(キボッチャ)という施設に行ってきました。

    あとは、土日でも勉強会があれば、参加するようにしています。この前の「Rails Girls」イベントの時も、上の子を連れて行きました。他にもお子さん連れで参加しているコーチがいて、子ども同士で遊ばせることができたので、安心して参加することができました。


    今後は「Rails Girls」イベントでも託児サポートができるようにして、お子さん連れの方も参加しやすいイベントにしていきたいですね。

  • SENDAI INC.:最後は、今回東京から参加してくれた江森さん!「Rails Girls」のコーチとして、運営のアドバイスを行なっていたそうです。 システム開発のお仕事をしているそうですが、仙台とは違ったIT企業で働く女性の一日があるのでしょうか?

江森真由美さんの1日のライフスケジュール

  • 江森さん:週1回ほどジムに通っています。あとは社内での勉強会や、固定で開催されるIT系イベントも多いので、よく足を運んでいます。あとは、家にいるときは、海外ドラマ専門チャンネルのFOX TVを見るのが好きですね。


    最近、仕事でマネージャー業がメインになって、ちょっと物足りないというか…。責任ある仕事を任せられているのですが、本当はもっとプログラミングに関わりたい気持ちもあったりして、アフターファイブで勉強することでバランスをとっています。

 

江森真由美さん

  • SENDAI INC.:休日の過ごし方はいかがですか?

  • 江森さん:週末も勉強会に参加することが多いですね。 「Rails Girls Tokyo, More!」という「Rails Girls Tokyo」の卒業生のGirlsおよびコーチ、サポーターが集まる勉強会や、地方の「Ruby」のイベントなど、月に一度は観光がてら県外へ行っています。

    もちろん、家でゆっくりしている日もありますよ。

  • 清水さん:東京はIT系の勉強会やイベントがたくさんあって羨ましいです。

  • 江森さん:開催したい人も参加したい人もすごく多いですね。東京の「Rails Girls」がすぐ満席になってしまうから、わざわざ地方開催に申し込む人もいるぐらいなんですよ。

仙台で働くことを決めたきっかけ

左からお話をしている江森真由美さん今野夕貴さん清水未希さん海谷麻里衣さん

  • SENDAI INC.:江森さん以外は仙台在住ということですが、みなさんが仙台で働こうと思ったきっかけは何ですか?

  • 今野さん:私は実家が仙台なので、家族の近くにいたいっていうのが一番の理由ですね。学生時代の友達が就職で東京に行く姿を見ていると、東京の仕事が面白そうに見えて、憧れる気持ちもありました。でも、やっぱり家族が優先でしたね。

    今、勤めている会社は本社が東京なので、出張で東京へ行く機会は多いです。そんな風に、他にも東京の会社がどんどん仙台に支社を作ってくれたら嬉しいですね。

  • 海谷さん:私は北海道出身で、結婚して旦那の実家が仙台だったので、こっちに来ました。義父母と同居しているので、子育てのサポートをしていただけて、仕事と育児の両立はしやすいですね。仙台は公園も多く街並みもきれいで、とても過ごしやすいです。

  • 清水さん:私は神奈川出身ですが、旦那の実家が気仙沼だったので、2年前に仙台へ引っ越してきました。

    仙台に来る前はSIer(エスアイアー)だったので、自分で開発するのではなく、設計したりお客さんにヒアリングをしたりして外注先へ発注することが主な仕事でした。

    仙台に来てからは、ITの中でも全く別分野のWebサービスの会社に入社しました。そこから「Ruby」などの言語を触り始めました。

現在の仕事内容とは?

  • SENDAI INC.:みなさんの今のお仕事内容について詳しく教えてください。

 

お話をしている今野夕貴さん

  • 今野さん:スマートフォンのゲームのサーバーサイドというか、Web APIを作っています。いわゆる、ゲームのルールを作る部分ですね。ユーザーが悪いことをできないように、土台というような…簡単に言えば審判的な役割のところです。

  • 江森さん:社員のほとんどがプログラマーの会社なので、マネージャーとして部長職のような仕事をしています。後輩のレビューだったり、問題が起きた時に対応したりする感じですね。それまでは、入社してからずっとプログラムを書く仕事をしていました 。

  • 海谷さん:私の場合は、仙台に来るまで地元の北海道でずっとアパレル業をしていました。

    仙台にきてからは、子どもを保育園に入れたいという思いで職業訓練校に入ったのですが、最初はデザインに興味があって選んだ講座が、実はデザインの講座ではなかったんです!

    そんなこんなで、気がついたらプログラミングをしていました(笑)。今は、東京のチームとリモートで繋ぎながらWebサービスを開発する仕事をしています。

  • 清水さん:私はSE兼ディレクターとして働いています。ディレクターという肩書きで設計や管理側の仕事をしながら、他のスタッフが書いたコードのチェックをしたりします。自分でコードを書くこともありますよ。

IT企業で働くことのいいところ、悩みや不安

奥から清水未希さん海谷麻里衣さん

  • SENDAI INC.:みなさんが感じている、仕事面での悩みや不安はありますか?

  • 海谷さん:働く女性として、今後のキャリアがどうしていくのがいいのか、少し不安な時があります。

  • 今野さん:確かに、身近にロールモデルになる人がほとんどいないですよね。

  • 江森さん:まだまだIT企業には女性が少ないのかもしれないですね。ただ、私の勤めている部署では現在、男性7人と女性6人で半々ぐらい在籍していて、女性は増えてきていますよ。

  • 海谷さん:IT企業で働く女性は増えて欲しいですよね。エンジニアとワーキングマザーは相性がいいと感じているので、ワーキングマザーのエンジニアがもっと増えてもいいんじゃないかな、と思っています。

  • 今野さん:そうそう、エンジニアはリモートでも作業できるので、環境さえ整えば、自宅でもできる仕事のはず。ワーキングマザーにもぴったりですよね。

    ワーキングマザーだけでなく、そういう働き方をしたいお父さんもきっといると思うので、リモートワークなど新しい働き方が推進されたらいいですよね。

Rails Girlsを仙台で開催することになった「ひょんなこと」

今野夕貴さん

  • SENDAI INC.:今回、Rails Girlsを仙台で開催することになったきっかけがあるんですよね。「ひょんなこと」があったということですが、経緯を教えてもらえますか?

  • 今野さん:去年、「RubyKaigi」というRubyに関する国際カンファレンスが仙台国際センターでありまして。

    そこで、海外から来られた参加者の方が、日本は安全な国だと聞いていたから、と、国際センターの目立つところに200円を置いてみる実験をしてみたんです。
    そしたら、置いていた200円がなくなるどころか、300円に増えていたんです!

    その実験をした元コミッターの方がそのお金を「日本のRail Girlsのために寄付します」と現役の国内コミッターの方に預けてくださったそうです。そして、仙台のローカルオーガナイザーから私に話が来て、引き受けたのが経緯です。

    そこから話が進んでいった感じですね。IT業界に女性が少ないということも気になっていたので、私にも何かプログラミングの女性向けコミュニティーづくりができないかと思いました。

  • SENDAI INC.:「Rails Girls」のイベントはどのような規模感ですか?

  • 今野さん:仙台でのイベントは、人数でいうとレクチャーを受けるガールズが10人、コーチ8人、スタッフ3名での開催でした。宮城だけでなく、山形や東京からも申し込みがあったんですよ。

  • 清水さん:石巻から来てくれた方もいましたよね!

  • 江森さん:地方の開催だと、まだまだ人数は少ないのが現状です。参加したい人は多いのですが、コーチやオーガナイザーをやりたい人が少ないんですよね。

  • 今野さん:東京はそうやって勉強会を積極的に実施するライフサイクルが根付いているイメージがあって、すごいなと思っています。

  • 江森さん:そんな中、仙台で開催できたのは素晴らしかったですね。東北での開催は珍しいので、楽しみにしていてくれた方も多くて。

  • 今野さん:定期的な開催はまだ難しいけれど、一度実行したことで、次にイベントを開催したい人のサポートができるようになるとも感じました。今後も仙台を盛り上げていきたいですね。



Rails-Girls-SENDAI-1st-Tシャツ

今後の目標、キャリアプランなど

  • SENDAI INC.:みなさんの今後のキャリアプランや、目標を教えてください。

  • 海谷さん:今後は、「Rails Girls」でコーチをやってみたいと思っています!

  • 今野さん:私は「Rails Girls」の次のイベントを開催することですね。今回やってみて、たくさんの課題が見つかりました。課題を解決しつつ、また開催できるように頑張りたいですね。

  • 清水さん:次回もスタッフとして「Rails Girls」に参加したいですね。あとは他の活動でママ向けのボランティアをしているので、「Rails Girls」に限らず、ママ向けのプログラミング講座などもやっていきたいです。

  • 江森さん:これからも、イベントを開きたいと思っている各地の方をサポートしていけたらと思っています。なかなか、1人ではできないことなので、お手伝いしていきたいです。また、ITのメリットを使って学ぶ場をもっと提供していきたいですね。

 

「Ruby on Rails」というフレームワークを学ぶことを通じて、コミュニティーができ、地域に盛り上がりができることを感じました。お子さんを連れて参加できるのも女性ならではの発想ではないのでしょうか。
取材をした2018年12月当時、皆さんの目標にも多く上がっていた待望の第2回が、2019年7月20日に開催決定! 今後も活動が広がっていくのが楽しみです。

PROFILE

今野夕貴(こんの・ゆき)

江森真由美(えもり・まゆみ)

株式会社ケーシーエスキャロット

株式会社ケーシーエスキャロットは、「Create(創造)・Cooperate(協力)・Coordinate(調和)・Collaborate(共争)」を経営ビジョンとして、 デジタル放送機器、音楽・ニュースの配信分野、AV機器の組込みソフトや、Webアプリケーション開発などを取り組んでおります。

海谷麻里衣(かいや・まりえ)

パーソルキャリア株式会社

パーソルキャリア株式会社は、パーソルグループの「リクルーティングセグメント」中核会社として、 転職サービス「doda」やアルバイト求人情報サービス「an」をはじめとした人材紹介、求人広告、新卒採用支援等のサービスを提供しています。 グループの総力をあげて、労働・雇用の課題の解決を目指します。

清水未希(しみず・みき)

株式会社manaby

manabyは、障害をお持ちの方が仕事につくまでの道のりをサポートする「就労移行支援」という事業を行っています。事業所は仙台を拠点に全国15か所(2019/4時点)。ITスキルを学び、自宅で働くという選択肢を提供し「一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる」ことを目指しています。

取材場所:ほの香

Photo:小林啓樹
Words:佐藤早紀