02/19TUE
MEET UP
東北初!
プロゲーマー
育成コース誕生!
仙台コミュニケーション
アート専門学校(SCA)にて、
e-Sportsセミナーを開催。
エキシビジョンマッチの結果は?
プロゲーマーの本音とは?
仙台市若林区の仙台コミュニケーションアート専門学校(SCA)に、2019年4月からe-Sportsのプロを育成するコースが誕生します。コース開設に先駆けて、2018年9月24日、同校でe-Sportsセミナーが開催されました。 仙台にゆかりのあるプロのお二人を迎えたトークセッションや、来場者とプロとのエキシビジョンマッチなど、会場は大盛り上がり! 今回は白熱のバトルの様子だけでなく、「e-Sportsってなに?」「プロの選手ってどれくらい練習しているの?」など、気になる疑問の答えまでまるっとお届けします。
Jonney選手、実況者の和葉@さん
※2019年2月記事公開時の情報です。
e-Sportsとは?
e-Sportsとは、エレクトロニック・スポーツの略称で、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツと捉える時の名称です。日本ではe-Sports連合が2018年2月に発足し、プロライセンスを発行しています。
すでに東京で、2016年に「e-Sportsのプロ選手=プロゲーマー」を目指す学校が設立されており、1期生は世界大会にも出場しているとのこと。(*1)来年SCAに設立されるコースは、東北では初となります。
(*1)東京校の記載より。「2016年4月に開講した日本初のプロゲーマーの学校。1期生は国内のLoL(リーグ・オブ・レジェンド)リーグを制し世界大会へ出場。日本でのe-sports教育の最先端をリードし続けている。」
仙台コミュニケーションアート専門学校のWebサイト「e-Sportsワールド
プロ選手とのエキシビションマッチに挑戦
今回のe-Sportsイベントの目玉とも言える「プロ選手とのエキシビションマッチ」。まずは、「ストリートファイターV」でJonny選手と対戦。ストリートファイターVでは、「ゲームスタートから10秒はJonny選手は何の操作もしない」というハンデキャップがつけられました……が、それでもJonny選手が負けた試合は1試合のみ。プロ選手の力の凄さを見せつけられました。
このハンデキャップで、Jonny選手から1本とったのは、SENDAI INC.スタッフの三浦 綾華(みうら・あやか)さん。「プロは技のコンボがすごい。(コンボで技を出すには)頭を使わないといけないので、さすがだ! と思いました」との感想。
三浦さんとJonny選手、10秒間手を挙げてハンデをつくる
次の「レインボーシックスシージ」(R6S)では、堀田選手と、所属するPath FinderのTeeda選手の合同チームとのエキシビションマッチが行われました。
「レインボーシックスシージ」でプロチームと対戦したSENDAI INC.スタッフの小笠原 柾(おがさわら・まさき)さんは「プロと自分たちとの技術力の違いを感じました。(レインボーシックスシージは)半年以上やっているタイトルなのですが、こんなにも違うんだな、って…」と、プロ選手の技術力に驚愕。
さらに今回のエキシビションマッチでは、第2部のトークセッションで司会を務めた和葉@さんの実況つきで観覧できました。和葉@さんは、10タイトル以上のゲーム実況・解説の経験のあるeスポーツキャスター。ゲームタイトル自体を初めて見る方にもわかりやすく、ゲーム内容や状況の説明に引き込まれました。
今回開催されたセミナーは3部構成で、第1部は、日本eスポーツ協会の専務理事・平方 彰(ひらかた・あきら)さんの講演「e-Sportsの現状と課題」からスタートしました。
日本ではスポーツは”汗を流すもの”、という意味合いが強いですが、元々は「遊ぶこと」が本質。また、ゲームも”遊ぶこと”よりも、”試合”や”競技”という意味も持っている、と平方さん。こういった「sports(スポーツ)」と「Game(ゲーム)」の言葉の意味から始まり、e-Sportsの利点、世界と日本とのe-Sportsの違いなどを紹介していただきました。
現在の日本のe-Sportsは、協会で認定されたゲームタイトルごとにプロライセンスを発行する仕組みをとっています。個人に与えられるライセンスと、法人格を持つe-Sportsチームに与えられるライセンスにわかれ、日本国内だけでも100人以上のプロ選手がいます。
これから「スポーツは汗を流さないといけない」という世代が徐々に減っていき、憧れの職業になっていく、と平方さんは話します。
会場や設備のこと
今年7月に完成したばかりのe-Sports実習室が今回の会場です。
大型ディスプレイが中央に据えられ、その両サイドには12台のPCとモニターが設置されている。SCAの渡邉康祐(わたなべ・こうすけ)先生によると「コンマ数秒の差で勝敗が決まるので、マシンやツールはゲーム用の中でも最高品質のものを使っています。」とのこと。気になるお値段は・・・というと、1席あたり全体で60万近くの機器を揃えているとのこと。最高の環境でトレーニングに励むことができるのも、SCAだからこそ。
実際、e-Sports選手ってどんな感じですか?
第2部のトークセッションには、仙台にゆかりのある2選手が登場。
仙台出身のJonny選手(Fudoh所属)と、仙台在住で仙台コミュニケーションアート専門学校の講師でもある堀田翔平さん(パスファインダー所属)。司会はe-Sports実況者の和葉@さん。第一部で講演を行った平方さんも加わり、e-Sports選手の現状や、これからのことを伺いました。
事前に寄せられた質問には、けっこう本音トークも…。
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和葉@:収入的には生活していけてますか?
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Jonny:プロゲームチームから、海外の大会で賞金、テレビの取材、講演会で収入を得ている人が多いですね。ぎりぎり食べていけています。
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堀田:e-sportsチームの運営をしていますが、自分は飲食店の料理長もやっていますよ。
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和葉@:プロゲーマーになることに対して、親の障壁はありましたか?
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Jonny:自由にやらせてくれる両親だったので「頑張ればいいんじゃない?」と。地元の人には何も言っていないので、今日のニュースで名前が流れると困るかもしれません(笑)。
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和葉@:もし両親にプロゲーマーになることを反対されていたら、どうすれば親御さんの理解を得られるんでしょうか?
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Jonny:(ご両親や周囲に)反対されても、自分がやりたいという情熱があれば、やっちゃえばいいと思います。親世代はテレビの影響が大きいので、テレビに出てるe-Sportsプレイヤーを見せる、とかで一定の理解を得られるのでは?
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堀田:(自身の経験をもとに)ネット配信をしたり、大きなイベントをやっていることを会うたびに伝えています。そうすると「面白いことをやっているね。」と徐々に理解してもらえます。周りの意見を気にするのではなく、自分のやりたいことをやっていくのが大事。
と、お二人とも「自分のやりたいことをやっていくこと」の大切さを伝えていました。
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和葉@:e-Sportsが広まっていくためには何が必要だと思いますか?
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Jonny:いつでもどんな時間帯でも、みんながストレスなく対戦できる環境が必要ですね。新しいゲームが出ても、(アクセスが集中して)ネットワークが繋がらなくてやめてしまった、というゲームがいくつかあります。
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堀田:「一緒にゲームをするメンバーが少ないから」や「(ゲームをプレイする)時間が合わなくてやめた」という話を聞いて、もったいないな、と思いました。公式(ゲームタイトルの販売元)が友達を作れるようなコミュニティをゲームと一緒に出してくれるといいなと思います。
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平方:選手が頑張った分だけ、成果が返るような仕組みがあってほしいと思います。
当日は、地元放送局の取材も入り、注目度の高さが伺えました。
SCAクリエーティブコミュニケーション科 教務部長の渡邉 康祐(わたなべ・こうすけ)先生は「e-Sportsの世界で、可能性を形にして結果を出していきたい。東北から世界へ羽ばたくような学生さんを輩出していきたい。」と力強く語ってくれました。
PROFILE
仙台コミュニケーションアート専門学校(SCA)は、「好きな仕事」を通じて想像力とアイデアで人に感動を与える人、夢に向かって自らイノベーションし成長していく人、業界が必要とするリーダーシップを発揮する人を育成します。
会場:仙台コミュニケーションアート専門学校
Photo:笠松 宏子