イノベーションの意味とは?
求められる背景と仙台市の事例を紹介
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イノベーションは「技術革新」「技術の発明」と翻訳されたり、紹介されたりすることが多い用語です。
しかし、本来は技術だけではなく、製品やサービスをつくるプロセスや組織、そしてそれらを取り巻く”社会に大きな影響を及ぼす変化”といった意味があります。
このページでは、仙台市におけるIT産業のイノベーションの取り組みを紹介している「SENDAI INC.」から、イノベーションの基礎と具体的な事例について解説していきます。
イノベーションの意味とは?
「イノベーション」とは、ビジネスにおいて新しい考え方や取り組みを取り入れたり、新しい技術を開発したりすることによって、社会に大きな革新と変化を起こすことを表す言葉です。
日本国内においては、イノベーションを「新しい技術によって新しい製品を生産すること」と狭い意味で理解されることが多いのですが、実際は技術に限らない「革新・刷新・変革」を意味しています。
1イノベーションの種類
イノベーションには様々な区別や分類の仕方がありますが、主に5種類に分けられます。
1.新しい製品・サービスの開発
2.生産方法・生産工程の刷新
3.販売先・消費者の新規開拓
4.製品の原材料の供給ルートの新規獲得
5.組織変革・組織改革現在は、5種類のどれにも当てはまらないようなものであったとしても「新しい取り組み」自体を”イノベーション”と呼称することも多くなり、私たちが日常生活やビジネスシーンで耳にすることも多くなってきました。
2イノベーションの語源
さまざまな辞書において、イノベーションは「新機軸」「革新」といった定義がなされています。
経済発展や景気循環をもたらす概念として、オーストリアの経済学者・ヨーゼフ・シュンペーターが最初に提唱しました。3日本国内におけるイノベーションの使い方
日本においてイノベーションという概念が一般的になったきっかけは、1958年『経済白書』においてのこと。この白書内において、Innovationは「技術革新」と翻訳され、解説されています。
当時の日本を取り巻くビジネス環境から考えてみると、新しい技術の発見や既存技術の改良が日本の経済成長を向上させる方法であると考えられていたことが背景にあると考えられます。
その後、国内におけるイノベーション事例や経済白書の中での言及のされ方などに徐々に影響される形で、「技術革新とイノベーションは同一のものではないこと」「イノベーションがもっと広い考え方や意味を持つ言葉であること」が少しずつビジネスシーンで認識されつつあります。
ただし、「技術」とその活用を基本にしたイノベーションがなくなってきているわけではありません。むしろ、IT技術の活用は、今後さらに見込まれています。
たとえば、IT技術の中でも特にAI(人工知能)に着目し、付加価値の高い新事業創出や、AIを活用して事業を成長させることができる人材育成を一体的に推進するプロジェクト「SENDAI X-TECH Innovation Project」などはその代表的な取り組みと言えるでしょう。
参考:SENDAI X-TECH INNOVATION PROJECT
イノベーションが世の中で求められる背景は?
国内外を問わず、イノベーションは企業の成長や変革に欠かせない考え方として扱われるようになりました。
その主な理由は下記の通りです。
1企業の成長や経済成長の必要性
国内外を問わず、高度経済成長期から現在までにかけて世の企業は例外なく「成長」が求められています。
イノベーションに成功した企業は、それだけ競合他社との差別化や市場シェアの拡大ができることが多いため、経済効果の恩恵を大きく受けることになります。
つまり、それだけ企業が成長する、もしくは成長しやすくなるのがイノベーションなのです。
これからの時代、企業が社会に価値を創造する機能としてのイノベーションが求められます。経営戦略上も重視されるようになってきていると言えるでしょう。
また、グローバル企業や大企業にとどまらず、地域に根差す企業や組織にとってもイノベーションは非常に魅力のある取り組みです。
地域ならではの強みを生かした製品・サービス、事業戦略、組織改革を行うことによって、地域活性化の中心的企業になることができるでしょう。2社会問題の解決の必要性
働き方改革やCSR(企業の社会的責任)活動、SDGs(持続可能な開発目標)など、企業の内外を取り巻く課題は昨今特に増えてきています。またその解決策の発見と実施が同時に求められています。
イノベーションには、製品・サービスの革新だけではなく、業務におけるプロセスの効率化や組織改革も含まれます。
それらを達成することによって、各企業が持つ課題や、企業を取り巻く社会問題自体を解決できる可能性があることから、イノベーションが必要とされています。
特に、産官学連携で取り組まれるイノベーションにおいては、こういった「社会問題の解決」を最終的なゴールにした取り組みが数多くあります。
仙台市の「BOSAI-TECHイノベーション創出促進事業」と呼ばれる事業においては、社会問題の解決のためにイノベーションを起こすことを目的としています。
当事業では、『仙台防災枠組』『仙台市経済成長戦略2023』の実現を目指すために「防災×IT」の名のもとイノベーションへの取り組みが行われています。
参考:SENDAI BOSAI TECH INNOVATION PLATFORM3業務効率化による生産性向上の必要性
人材不足が叫ばれて久しく、働き方改革も推し進められている昨今のビジネス環境では、人手不足・働き手の不足といった企業課題を解決するためにもイノベーションが求められています。
現状のシステムや経営の手法の中だけでは、これ以上どうやっても解決できないといった場合には、単なる業務上の課題を解消するだけではなく、組織改革や一貫性のあるイノベーション戦略が求められるでしょう。
また、製品の生産や販売プロセスにイノベーションを起こすことによって、収益性を向上させたり、競合他社との大幅な差別化を達成したりしつつ、人材不足などの企業課題を解決することもできるイノベーションが最も求められています。4市場シェア拡大・競争優位性の獲得
イノベーションに成功した企業が得られる革新的な製品・サービス、生産・販売プロセスや組織は、競合他社が真似できない「競争優位性」を獲得することにつながります。
競争優位性とは、自社と他社を比較した際に「ビジネス上有利な立場にあること」を指すビジネス用語です。
つまり、イノベーションを起こすことができた企業は、競合他社にとっては様々な壁があり参入できていない市場に参入することができたり、既存の市場シェア自体を拡大したりすることができます。
以上、イノベーションが求められる背景についてご説明しました。
イノベーションは、「1つの企業が収益をアップさせる」という枠を超えて、社会全体に良い影響を及ぼせるものであることがわかります。
仙台市と仙台IT産業のイノベーションの取り組み事例
仙台市では、仙台市内外のIT産業・企業、大学、自治体、金融機関等が連携した「オープンイノベーション」の取り組みが盛んに行われています。
ここではその一部をご紹介します。
1SENDAI X-TECH INNOVATION PROJECT
仙台市をフィールドにした、AIをはじめとした先端ICT技術と様々な産業との掛け合わせによる新事業の創出と、それをリードする先端IT人材の育成・交流プロジェクトです。
テクノロジーの力でイノベーションを生み出し、仙台・東北で暮らす人々が豊かさを実感できる未来を創ることを目指しています。
参考:SENDAI X-TECH INNOVATION PROJECT2BOSAI-TECHイノベーション創出促進事業
BOSAI-TECHイノベーション創出促進事業は、産学官金連携によるBOSAI-TECHでの新事業創出や共同研究、実証実験、企業・研究機関の新規立地を継続的に起こすことと、その成果が社会実装される「BOSAI-TECHイノベーション・エコシステム」の形成に向けた取り組みです。
防災・減災における課題をテクノロジーで解決できるアイディアを募集する「仙台BOSAI-TECH Future Awards~テクノロジーで明日を守るプランニングコンテスト」を主宰しています。
参考:SENDAI BOSAI TECH INNOVATION PLATFORM3GLOBAL Lab SENDAI(グローバルラボ仙台)
新産業創造のきっかけをつくるICT分野に特化したコンソーシアム「グローバルラボ仙台」は、仙台から世界に通用する人材を育成するための産学官連携コンソーシアム。
学生向けにビジネスマインドを育てる課外授業や、仙台アプリコンテスト「DA-TE Apps!」など、仙台発のグローバル企業・産業を創造するための取り組みを実施しています。
参考:GLOBAL Lab SENDAI